「看護師として英語力を活かしたいけれど、TOEICは何点くらい必要なのだろう」と疑問に思ったことはありませんか。外国人患者への対応や海外での就労を目指す場合、英語力の客観的な指標としてTOEICスコアを求められる場面が増えています。
この記事では、看護師のキャリア別に必要なTOEICスコアの目安を解説するとともに、効率的なスコアアップの方法や、英語力を活かせる職場の選択肢についてもお伝えしていきます。

看護師にTOEICは必要なのか?
結論から言うと、TOEICスコアが必須な職場は限定的です。日本国内の一般的な病院やクリニックで働く場合、TOEICスコアを採用条件に挙げているところは多くありません。
しかし、以下のような職場やキャリアを目指す場合はTOEICスコアが大きなアドバンテージになります。
- 外国人患者の受け入れが多い医療機関
- 在日米軍基地内の医療施設
- 外資系の製薬会社やCRO(開発業務受託機関)
- 医療通訳や医療コーディネーター
- 海外での看護師就労を目指す準備段階
履歴書にTOEICスコアを記載することで、英語対応が可能な人材として評価される可能性が高まります。
キャリア別に見るTOEIC目標スコア
看護師として英語力を活かすための目標スコアは、目指すキャリアによって異なります。以下の目安を参考にしてください。
TOEIC 550〜650点:外国人患者の基本的な対応
外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)の認定を受けた病院など、外国人患者への基本的な案内や対応ができるレベルです。受付での簡単なやり取りや、決まったフレーズを使った説明が中心になります。
TOEIC 700〜800点:英語を使った看護業務全般
EPA外国人看護師の受け入れ病院や国際病院で、英語でのカルテ記録や医師とのコミュニケーションが求められるレベルです。患者への病状説明や入退院時の対応なども英語で行えることが期待されます。
TOEIC 800〜900点:専門的な英語業務
在日米軍基地内の医療施設や外資系製薬会社、CROなどで求められるレベルです。英語での会議やプレゼンテーション、専門的な文書の読解もこなせる実力が必要です。
TOEIC 900点以上:トップレベルの英語業務
美容クリニックでのインバウンド対応(海外から来日する富裕層の患者対応)や、医療通訳、海外での看護師資格取得の準備段階として目指すレベルです。ネイティブに近いコミュニケーション力が求められます。
TOEICはリスニングとリーディングを測るL&Rテストが一般的ですが、実際の医療現場ではスピーキング力が重要です。TOEICスコアだけでなく、会話練習も並行して行いましょう。
会話練習の最初の一歩としては、現場でそのまま使えるフレーズを集めた本から入ると、覚えたそばから試せて続けやすくなります。
看護師がTOEICスコアを上げるメリット
TOEICスコアを伸ばすことで得られるメリットは、転職以外にもあります。
- 転職の選択肢が広がる:英語力を活かせる医療機関や企業への転職が可能に
- 年収アップにつながる:英語対応可能な人材は希少性が高いため、給与面で優遇されるケースがある
- 海外キャリアの土台になる:将来的にIELTSやOETに挑戦する際の基礎力になる
- 最新の医療論文が読める:医療分野の最新論文は英語で発表されることがほとんど
- 自信がつく:外国人患者への対応に自信を持てるようになる

忙しい看護師のためのTOEIC勉強法
シフト勤務や夜勤がある看護師にとって、まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。以下の方法で効率的にスコアアップを目指しましょう。
スキマ時間を活用する
通勤時間や休憩時間を使って、スマートフォンのTOEIC対策アプリで問題を解くのがおすすめです。1日15〜30分でも継続すれば着実にスコアは上がります。スタディサプリENGLISH TOEIC対策コースや公式TOEIC対策アプリなど、質の高いアプリが充実しています。
リスニングは「ながら学習」で
家事をしながら、通勤しながらTOEICのリスニング教材を聴く習慣をつけましょう。耳を英語に慣らすことで、リスニングパートのスコアは比較的短期間で伸びやすい傾向があります。
公式問題集を繰り返し解く
TOEIC公式問題集を最低2〜3回繰り返すことが、スコアアップの王道です。本番と同じ形式の問題に慣れることで、時間配分や解き方のコツが身につきます。
医療英語と並行して学ぶ
TOEICの一般的なビジネス英語と並行して、医療現場で使える英語フレーズも覚えておくと実務に直結します。「血圧を測ります」は英語で「I’m going to take your blood pressure」、「痛みはどこですか」は「Where does it hurt?」など、日常の看護業務で使えるフレーズから始めてみましょう。
TOEIC以外に看護師が取っておくとよい英語資格
TOEICはあくまで英語力の一般的な指標です。医療分野に特化した英語資格も取得すると、より専門性をアピールできます。
- IPEC看護英語試験:看護師に特化した英語力を測る試験。カルテ記録や患者対応など実務に直結した内容
- 日本医学英語検定(医英検):医療英語全般の知識を問う試験。看護師の場合は応用級(3級)が目標
- CBMS(国際医療英語認定試験):オンラインで受験可能。医療英語学習の入門として取り組みやすい
- OET(Occupational English Test):海外での看護師免許取得を目指す場合に有効。イギリスやオーストラリアで認められている
英語力を活かせる看護師の職場
TOEICスコアを活かして転職する際に候補となる職場を紹介します。
国際病院・インバウンド対応医療機関
外国人患者の受け入れ体制が整った医療機関では、英語が話せる看護師の需要は非常に高いです。東京、大阪、京都などの観光都市に多く存在します。
在日米軍基地内の医療施設
日本国内にある米軍基地の医療施設で働く看護師は、すべての業務を英語で行います。TOEIC800点以上が目安とされるケースが多いです。
外資系製薬会社・CRO
臨床開発や医薬情報担当の職種で、看護師の経験と英語力の両方を活かせるポジションがあります。デスクワークが中心のため、夜勤から離れたい方にも人気です。
医療通訳・医療コーディネーター
外国人患者と医療スタッフの橋渡しをする仕事です。看護の知識があるからこそ、正確で信頼性の高い通訳ができます。

TOEICスコアを転職活動に活かすポイント
TOEICのスコアを取得したら、転職活動で最大限活用しましょう。
履歴書への記載方法
履歴書の資格欄に「TOEIC公開テスト ○○点取得(受験年月)」と記載します。看護師免許のすぐ下に書くと目に留まりやすくなります。職務経歴書では、英語を使った業務経験(外国人患者の対応、英語カルテの記録など)があれば、具体的なエピソードとして記載しましょう。
面接でのアピール方法
スコアだけでなく「なぜ英語を学んでいるのか」「英語力をどう活かしたいのか」を明確に伝えられるようにしておきましょう。「外国人患者さんが安心して治療を受けられる環境を作りたい」「将来的に国際的な医療の場で活躍したい」など、具体的なビジョンを持っているとより好印象です。
スコア更新のタイミング
TOEICスコアに有効期限はありませんが、転職活動で使う場合は2年以内に取得したスコアが望ましいとされています。古いスコアしかない場合は、最新のスコアを取得してから転職活動を始めるのがおすすめです。
よくある質問(Q&A)
Q. TOEICスコアは履歴書にいつから書いてよいですか?
一般的に、TOEIC600点以上であれば履歴書に記載してアピールする価値があります。550点以下の場合は記載しないほうが無難です。
Q. TOEICの勉強期間はどのくらい必要ですか?
個人差がありますが、現在のスコアから100点アップするのに約200〜300時間の学習が必要とされています。毎日1時間の学習で、3〜5ヶ月程度が目安です。まとまった時間が取りにくい方は、単語帳を1冊決めてスキマ時間に回すところから始めると習慣化しやすくなります。
Q. TOEICとIELTSはどちらを受けるべきですか?
国内での転職や英語力の証明が目的ならTOEICで十分です。海外での看護師免許取得を目指す場合はIELTSやOETが必要になります。目的に応じて使い分けましょう。
Q. 看護師として働きながらでもスコアアップできますか?
スキマ時間をうまく活用すれば、働きながらでもスコアアップは十分に可能です。重要なのは毎日少しでも英語に触れる習慣をつけることです。
Q. オンライン英会話は看護師の英語学習に効果がありますか?
非常に効果的です。特に医療英語に対応したオンライン英会話サービスを利用すれば、患者対応のロールプレイや医療シーンでの英会話練習ができます。1回25分程度のレッスンが多いため、勤務の合間でも取り組みやすいです。まずは無料体験レッスンを試してみるのがおすすめです。
Q. 看護師がTOEICを受ける際の注意点はありますか?
TOEICの試験日は日曜日が多いため、シフトとの調整が必要です。また、試験は約2時間の長丁場になるので、集中力を維持するための体調管理も大切です。夜勤明けの日に受験するのは避け、十分な睡眠を取ってからテストに臨みましょう。
英語力は看護師のキャリアの可能性を大きく広げてくれます。まずは現在の英語力を把握するためにTOEICを受験してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考情報:TOEIC公式サイト(IIBC)|IPEC看護英語



