准看護師として働いているけれど、「正看護師になりたい」「キャリアアップしたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。年収アップやキャリアの幅を広げるためにも、正看護師への道は魅力的な選択肢です。
この記事では、准看護師から正看護師を目指すための具体的なルート・必要な費用・働きながら取得する方法を詳しく解説していきます。利用できる奨学金や給付金制度についても紹介するので、費用面で不安がある方もぜひ読み進めてみてください。

准看護師から正看護師になるための3つのルート
准看護師が正看護師の国家試験受験資格を得るには、看護師学校養成所の2年課程を修了する必要があります。この2年課程には「全日制」「定時制」「通信制」の3つがあり、それぞれ特徴が異なります。
全日制(2年間)
平日の日中に通学するスタイルで、最も集中的に学べるルートです。実習時間も十分に確保でき、学習面での不安が少ないのがメリットです。ただし、フルタイムで働きながら通うことは難しいため、一時的に仕事をセーブする必要があります。
定時制(3年間)
夜間や週末に通学するコースで、日中は仕事を続けながら学ぶことができます。全日制よりも1年長い3年間のカリキュラムとなりますが、収入を得ながら学べるのが大きな魅力です。
通信制(2年間)
自宅学習を中心としたカリキュラムで、スクーリング(面接授業)と臨地実習を組み合わせて学びます。通信制を利用するには、実務経験5年以上が入学条件として設定されています(2026年4月から7年から5年に短縮)。働きながら学びたい方にとっては、最も現実的なルートといえるでしょう。
- 全日制:2年間・集中して学びたい方向け
- 定時制:3年間・働きながら通える
- 通信制:2年間・実務経験5年以上が条件(記事執筆時点)
通信制で正看護師を目指す方法(詳細)
現在働いている准看護師の方に最も人気があるのが通信制です。具体的にどのような流れで学ぶのかを見ていきましょう。
カリキュラムの内容
通信制の学習は、テキストや動画教材による自宅学習が中心です。これに加えて、年に数回のスクーリング(面接授業)が設定されており、実技の習得や対面での指導を受けることができます。
臨地実習も必須ですが、全日制に比べると時間数は短く設定されています。紙上事例演習やシミュレーション学習で補完する形を取っている養成所がほとんどです。
学習スケジュールの目安
平日は仕事の後に1〜2時間程度の自宅学習を行い、休日にまとまった時間を確保するのが一般的なスタイルです。レポート提出の期限があるため、計画的な学習習慣が欠かせません。

必要な費用はどれくらい?
進学にかかる費用はルートや養成所によって異なりますが、おおよその目安をまとめます。
通信制の場合
通信制の養成所では、2年間の総費用が100〜120万円程度が相場です。これには入学金・授業料・教材費・施設費などが含まれます。
さらに、放送大学の単位取得が必要な養成所では、放送大学の入学料(最大24,000円)と授業料(1科目あたり11,000円)が別途かかります。放送大学分はおよそ20万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
全日制・定時制の場合
全日制の専門学校では、2年間で150〜300万円程度の学費がかかります。定時制は3年間で200〜350万円程度が目安です。
公立の養成所は学費が安い傾向にありますが、募集人数が限られており、入学試験の競争率が高くなることもあります。
- 通信制:2年間で約100〜120万円+放送大学費約20万円
- 全日制:2年間で約150〜300万円
- 定時制:3年間で約200〜350万円
- 公立は安いが競争率が高い傾向
利用できる奨学金・給付金制度
費用面のハードルを下げるために、活用できる制度はしっかりチェックしておきましょう。
日本看護協会の奨学金
日本看護協会では、通信制養成所に通う准看護師向けに無利息・無利子の奨学金を用意しています。年間36万円または48万円を貸与してもらえる制度で、返済計画も柔軟に対応してもらえます。
専門実践教育訓練給付金
雇用保険の加入期間が一定以上ある方は、ハローワークの教育訓練給付金を利用できる場合があります。対象講座であれば、学費の最大70%(上限あり)が支給される制度です。
病院の奨学金制度
勤務先の病院が進学を支援する奨学金制度を設けているケースもあります。卒業後に一定期間勤務することで返済が免除される「お礼奉公型」の奨学金が代表的です。まずは勤務先の人事部門に相談してみるのがおすすめです。
都道府県・市区町村の修学資金
自治体によっては、看護師を目指す方向けの修学資金貸与制度を設けています。卒業後に指定地域で一定期間勤務すると返済が免除されるタイプが多いので、お住まいの地域で利用可能な制度がないか調べてみましょう。

働きながら正看護師を目指すコツ
仕事と学業の両立は大変ですが、多くの先輩方が実現してきた道でもあります。成功するためのポイントをまとめます。
職場の理解を得る
進学を決めたら、早めに上司や同僚に伝えて協力を求めることが大切です。スクーリングや実習の際にシフト調整が必要になるため、職場の理解がないとスムーズに進みません。
学習時間を確保する工夫
通勤時間やお昼休み、夜勤の空き時間など、スキマ時間を活用して学習する習慣を身につけましょう。まとまった時間が取れる休日には、レポート作成や過去問演習に集中して取り組むのが効率的です。
仲間をつくる
同じ通信制で学ぶ仲間とつながることで、情報交換やモチベーション維持に役立ちます。スクーリングの際に連絡先を交換したり、オンラインの学習コミュニティに参加したりするのもおすすめです。
正看護師になった後のキャリアと年収
正看護師の資格を取得すると、キャリアの選択肢が大きく広がります。
まず年収面では、准看護師時代と比べて約100万円のアップが見込めます。基本給の増額に加え、資格手当が付く職場がほとんどです。
キャリアパスとしては、主任や師長といった管理職への昇進が可能になるほか、認定看護師や専門看護師などの上位資格にも挑戦できます。転職市場でも正看護師の求人数は圧倒的に多く、好条件の職場を見つけやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q. 通信制の国家試験合格率はどれくらいですか?
通信制修了者の国家試験合格率は全日制と比べるとやや低い傾向にありますが、しっかり準備すれば十分に合格可能です。養成所のサポート体制や模擬試験の活用が合格率を左右します。
Q. 40代・50代からでも正看護師を目指せますか?
年齢制限はないため、何歳からでも挑戦できます。実際に40代・50代で通信制に進学し、正看護師の資格を取得した方は多数います。実務経験が豊富なぶん、現場での学びを活かしやすいというメリットもあります。
Q. 准看護師の実務経験はどこでカウントされますか?
病院・クリニック・介護施設・訪問看護ステーションなど、准看護師として従事した期間がカウントされます。パートや非常勤の場合は、勤務時間に応じた換算が必要なケースもあるため、志望する養成所に確認してみてください。
Q. 進学中に職場を辞めたほうがいいですか?
通信制であれば、多くの方が仕事を続けながら学んでいます。収入面の安定を考えても、退職せずに進学するのがおすすめです。ただし、全日制を選ぶ場合は日中の通学が必要になるため、勤務形態の見直しが必要になるかもしれません。
まとめ
准看護師から正看護師を目指すルートは「全日制」「定時制」「通信制」の3つがあり、働きながら目指すなら通信制が最も現実的です。費用は2年間で100〜120万円程度ですが、奨学金や給付金制度を活用すれば負担を抑えられます。
正看護師になれば年収アップはもちろん、キャリアの選択肢も大きく広がります。まずは入学条件の確認と費用のシミュレーションから始めてみてはいかがでしょうか。
参考:日本看護協会「看護師学校養成所2年課程の進学にかかる費用」 / マイナビ看護学生「准看護師から正看護師になるには」 / コメディカルドットコム「准看護師から正看護師になるには」


