「カナダで看護師として働きたい」「永住権も視野に入れてキャリアを考えたい」——カナダは看護師の需要が高く、永住権取得にもつながりやすい国として注目されています。
カナダでは看護師が移民優先職種に含まれており、看護師として働きながら永住権を目指すルートが整備されているのが大きな魅力です。
この記事では、日本の看護師資格を持つ方がカナダでRN(Registered Nurse)として働くための条件とステップを詳しく解説します。

カナダで看護師として働く魅力
看護師の需要が非常に高い
カナダでは慢性的な看護師不足が続いており、海外から看護師を積極的に受け入れている状況です。特に地方や北部の医療機関では深刻な人手不足のため、好条件の求人が見つかりやすい傾向があります。
永住権取得への道が開ける
看護師はカナダの移民優先職種に含まれているため、Express Entryや州推薦プログラム(PNP)を通じた永住権取得に有利です。看護師として一定期間働いた実績は、永住権申請のポイントとして大きく加算されます。
給与水準と福利厚生が充実
カナダのRNの給与は日本の看護師と比較して高い水準にあります。有給休暇、年金制度、医療保険(州による公的保険)なども充実しています。
多文化で働きやすい環境
カナダは移民国家であり、多文化共生が当たり前の社会です。海外出身の医療者も多く、外国人看護師として働きやすい環境が整っています。
カナダで看護師になるために必要な条件
基本条件(ブリティッシュコロンビア州の例)
- 母国で看護師教育を修了していること
- 母国で正看護師の資格を保有していること
- 過去5年間に1,125時間以上の看護師としての実務経験があること
- 規定の英語力(またはフランス語力)を証明できること
- 健康であること・犯罪歴がないこと
- NCLEX-RN試験に合格すること
条件は州によって異なるため、希望する州の看護協会の公式サイトで最新情報を確認してください。
英語力の条件
カナダで看護師として登録するには、英語またはフランス語の語学力を証明する必要があります。英語の場合、一般的に以下のスコアが求められます。
- IELTS Academic:Overall 7.0(各セクション6.5以上)
- CELBAN:カナダ独自の看護師向け英語テスト(Listening 10, Reading 8, Speaking 8, Writing 7以上)
どちらを選ぶにしても、まずはIELTSの問題形式に慣れて今のスコア感をつかむのが第一歩です。独学で進める場合は公式系の問題集を1冊決めて回す方法が定番になっています。
NNAS(National Nursing Assessment Service)の申請手順
NNASとは
NNAS(National Nursing Assessment Service)は、海外で看護教育を受けた看護師のカナダでの資格審査を行う機関です。ケベック州を除くほぼすべての州で、NNASへの申請が必要です。
申請の流れ
NNASへの申請は以下のステップで進みます。
ステップ1:オンラインアカウントの作成
NNASの公式サイト(nnas.ca)でアカウントを作成し、個人情報を登録します。
ステップ2:必要書類の準備と提出
以下の書類を英語に翻訳して提出します。
- 身分証明書(パスポートなど)
- 看護教育の証明書(卒業証明書・成績証明書)
- 看護師資格証明書(免許証のコピーと発行機関からの証明)
- 過去5年間の実務経験を証明する書類(雇用主からの在職証明書)
- 英語力テストの結果
ステップ3:NNASによる審査
NNASが日本とカナダの看護教育の内容を比較し、アドバイザリーレポート(評価レポート)を作成します。このレポートは、各州の看護協会に提出されます。
ステップ4:州の看護協会による審査
NNASのレポートをもとに、希望する州の看護協会がRN登録の可否を判断します。追加の教育課程や実習が求められる場合もあります。
ステップ5:NCLEX-RN試験の受験
州の看護協会から受験資格が認められたら、NCLEX-RN試験を受験します。カナダ国内のピアソンVUEテストセンターで受験可能です。

費用の目安
カナダで看護師資格を取得するまでにかかる主な費用は以下の通りです。詳細は各機関の公式サイトで最新の情報を確認してください。
- NNAS申請料:750カナダドル程度
- 英語テスト受験料:IELTS 約3万円 / CELBAN 約500カナダドル
- NCLEX-RN受験料:約200USドル
- 州の看護協会への登録料:州によって異なる
- 書類の翻訳・認証費用:数万円〜
トータルで50万円〜100万円程度の費用がかかるのが一般的です。追加の教育課程が必要な場合は、さらに学費がかかります。渡航費や現地での生活費も別途必要になるため、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
渡航が現実味を帯びてくると、意外と悩むのが荷物です。数か月単位の滞在になると手持ちのキャリーでは足りず、預け入れサイズのスーツケースを追加する人が多くなります。
カナダの州ごとの特徴
ブリティッシュコロンビア州(BC州)
バンクーバーがある西海岸の州です。温暖な気候で日本人コミュニティも充実しています。看護師の需要が高く、州推薦プログラム(PNP)で永住権にもつながりやすいのが魅力です。
オンタリオ州
トロントやオタワがある最大の州です。大規模な医療機関が多く、キャリアアップの選択肢も豊富です。一部ではNNAS以外の審査機関(WES、ICAS等)も受け入れるようになっています。
アルバータ州
カルガリーやエドモントンがある州で、看護師の給与水準が比較的高いことで知られています。
その他の州
マニトバ州やサスカチュワン州など、地方の州ほど看護師不足が深刻なため、好条件で迎え入れてもらえる可能性があります。ノバスコシア州やニューブランズウィック州なども海外看護師の受け入れに積極的で、州推薦プログラムを活用しやすいのが特徴です。
カナダでの看護師就労に関する注意点
- 州によって登録要件や手続きが異なるため、希望する州の最新情報を確認すること
- NNAS申請から登録完了まで1年以上かかることがある
- ワーキングホリデービザでは看護師として正式に勤務できない場合がある
- 看護協会の登録は毎年更新が必要(継続教育の要件あり)
よくある質問(Q&A)
Q. 専門学校卒でもカナダで看護師になれますか?
3年制の看護専門学校卒の方でもNNAS申請は可能ですが、カナダの看護教育基準との差分を補うために追加の教育課程が求められるケースがあります。具体的な要件はNNASの審査結果次第です。
Q. 準備期間はどれくらい必要ですか?
英語力の準備に1〜2年、NNAS申請から登録完了まで1年程度が目安です。全体で2〜3年の準備期間を見込んでおくのがよいでしょう。
Q. フランス語圏(ケベック州)で働く場合はどうなりますか?
ケベック州はNNASではなく、州独自の審査制度(OIIAQ)を利用します。フランス語での業務が求められるため、フランス語力が必要になります。
Q. カナダで看護師として働く場合のビザはどうなりますか?
看護師として正式に勤務するには就労ビザ(ワークパーミット)が必要です。雇用先が決まっている場合は、LMIA(労働市場影響評価)を経て雇用主がスポンサーとなり申請するのが一般的です。看護師は人手不足職種のため、ビザ取得が比較的スムーズに進むケースもあります。
Q. 日本での臨床経験は何年あると有利ですか?
NNASの要件として過去5年間に1,125時間以上の実務経験が必要ですが、実際には3年以上の臨床経験がある方が審査で有利とされています。急性期や救急の経験があると、カナダの医療現場での即戦力として評価されやすくなります。

まとめ
カナダで看護師として働くためには、NNAS申請、英語力の証明、NCLEX-RN合格、州の看護協会への登録という複数のステップが必要です。
- 看護師はカナダの移民優先職種で永住権取得に有利
- NNAS申請が最初のステップ(費用750カナダドル程度)
- IELTS 7.0またはCELBAN規定スコアの英語力が必要
- 州ごとに登録要件が異なるため最新情報の確認を
- 準備期間は2〜3年が目安
看護師としてのキャリアをグローバルに広げたい方にとって、カナダは非常に魅力的な選択肢です。長期計画を立てて、着実に準備を進めていきましょう。
参考:Ippoippo Nurse Life NNAS登録手続きの流れ / HLCA カナダで看護師として働くには / ナース留学.com カナダ看護師資格取得



