看護師国家試験は、看護師を目指すすべての方が避けて通れない関門です。「どうやって勉強したらいいかわからない」「効率的な学習法を知りたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師国家試験の合格率データから具体的な勉強法、スケジュールの立て方まで、合格に必要な情報を網羅的にお伝えしていきます。これから試験対策を始める方も、すでに学習を進めている方も、ぜひ参考にしてください。

看護師国家試験の合格率と試験の概要
まず、試験の全体像を把握しておきましょう。
合格率の推移
第115回看護師国家試験(2026年実施)の合格率は全体で88.3%でした。受験者数59,614人に対し合格者数は52,666人となっています(厚生労働省発表)。
新卒者の合格率は約94%と非常に高い一方で、既卒者の合格率は大きく下がる傾向があります。これは、現役で受験する学生は学校のカリキュラムに沿って体系的に学べるのに対し、既卒者は仕事と並行しての学習になるためです。
試験の構成
看護師国家試験は大きく分けて「必修問題」と「一般問題・状況設定問題」の2つの区分で構成されています。
- 必修問題:50問(1問1点)→ 40点以上(80%以上)で合格基準を満たす
- 一般問題:130問(1問1点)
- 状況設定問題:60問(1問2点)
- 一般問題+状況設定問題の合計が基準点以上で合格(基準点は毎年変動)
特に重要なのが必修問題です。必修問題で80%を切ると、他の問題でどれだけ良い点数を取っても不合格になります。必修対策を最優先で行うことが、合格への第一歩です。
合格するための勉強スケジュール
いつから、何を、どのように勉強するかを計画的に決めておくことが重要です。ここでは、最終学年(4年生または3年生)の1年間を想定したスケジュールを紹介します。
4月〜6月:基礎固めの時期
この時期はまだ実習が続いている方も多いですが、隙間時間を使って基礎的な知識の確認と整理を始めましょう。解剖生理学や病態生理学など、すべての科目の土台となる分野を重点的に復習するのがおすすめです。
7月〜9月:過去問演習スタート
実習が落ち着いてきたら、本格的に過去問演習を開始します。まずは過去5年分の問題を1周通して解き、出題傾向をつかむことが大切です。間違えた問題はノートにまとめて、弱点を可視化しておきましょう。
10月〜12月:弱点克服と必修対策
過去問で見つかった弱点分野を集中的に強化する時期です。同時に、必修問題の対策にも力を入れ始めます。必修問題は基本的な知識を問うものが多いため、テキストの太字部分や重要語句を徹底的に覚えることが効果的です。
1月〜試験直前:総仕上げ
模擬試験の結果を振り返り、最終的な弱点を潰していく時期です。新しい参考書に手を出すのではなく、これまで使ってきた教材を繰り返すことに集中しましょう。体調管理も合格のカギです。

効果的な勉強法5選
ここからは、合格者が実践している具体的な勉強法を紹介します。
1. 過去問を繰り返し解く
国試対策の王道は過去問の反復演習です。看護師国家試験は過去問と類似した問題が出題されることが多く、過去5〜10年分の問題を繰り返し解くことで、出題パターンを体に染み込ませることができます。
ただし、ただ解くだけでは不十分です。なぜその選択肢が正解なのか、なぜ他の選択肢は不正解なのかを理解しながら進めることが重要です。
2. 必修問題を最優先で対策する
必修問題は80%の正答率が必須条件です。基本的な知識を問う問題が多いため、しっかり対策すれば確実に得点できる分野でもあります。必修対策の専用問題集を1冊用意して、繰り返し解いておきましょう。
3. 関連づけて覚える
「疾患名→原因→症状→検査→治療→看護」の流れで、関連する知識をまとめて覚える方法が効果的です。バラバラに暗記するよりも記憶に定着しやすく、状況設定問題にも強くなります。
4. 模擬試験を活用する
模擬試験は本番のシミュレーションとして非常に有効です。時間配分の練習になるだけでなく、自分の実力を客観的に把握できます。複数の会社の模試を受けて、さまざまなパターンの問題に触れておくと安心です。
5. スキマ時間を有効活用する
通学時間やお昼休み、寝る前の15分など、スキマ時間を活用した学習を習慣にしましょう。国試対策アプリを使えば、移動中でも問題演習ができます。看護roo!の国試対策アプリなど、無料で使えるツールも充実しています。
科目別の攻略ポイント
解剖生理学
すべての科目の基盤となる分野です。人体の構造と機能を正しく理解していないと、疾病の理解も看護計画の立案もできません。図やイラストを活用して視覚的に覚えるのがコツです。
成人看護学
出題数が最も多い分野の一つです。各疾患の病態・治療・看護のポイントを整理し、周術期看護やターミナルケアの考え方もしっかり押さえておきましょう。
小児看護学・母性看護学
発達段階に応じた看護が求められる分野です。正常な発達の過程をベースに、異常の早期発見につなげる知識を身につけることが重要です。
精神看護学
精神疾患の分類や治療法に加え、患者さんとの治療的コミュニケーションの取り方が問われます。事例問題が多いため、具体的な場面を想定した学習が効果的です。
ケアレスミスは知識があっても点数を落とす大きな原因です。問題文を最後まで読む、マークシートの塗り間違いに注意するなど、基本的なミスを防ぐ練習も普段から意識しておきましょう。
不合格を防ぐための注意点
「なんとなく」の学習にならないようにする
テキストを読むだけ、ノートをきれいにまとめるだけでは、知識の定着は不十分です。アウトプット(問題を解く、人に説明する)を中心に据えた学習を心がけましょう。
体調管理を怠らない
試験は毎年2月に実施されるため、インフルエンザや風邪の流行時期と重なります。手洗い・うがいはもちろん、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事を心がけることも、合格のための重要な要素です。
メンタルケアも忘れずに
試験が近づくにつれてプレッシャーを感じるのは当然のことです。友人と励まし合ったり、適度に息抜きの時間を作ったりして、精神的な健康も保ちながら試験に臨みましょう。

おすすめの参考書・教材
国試対策には定番の教材を押さえておくのが効率的です。
クエスチョン・バンク(QB)は過去問を網羅的に掲載しており、解説も充実している定番の問題集です。レビューブックはQBと連動しており、知識の整理に最適です。
また、無料で使えるアプリやオンラインの過去問サイトも活用しましょう。通学中や休憩時間のスキマ学習には、アプリが特に便利です。
よくある質問(Q&A)
Q. 何か月前から勉強を始めればいいですか?
理想的には最終学年の4月(試験の約10か月前)から計画的に始めるのがおすすめです。遅くとも夏休みには過去問演習を開始し、秋以降は追い込みに入れるスケジュールが理想です。
Q. 既卒で受験する場合のコツはありますか?
仕事と両立しながらの勉強になるため、学習時間の確保が最大の課題です。通勤時間やお昼休みのスキマ時間を活用するほか、模擬試験を定期的に受けてモチベーションと緊張感を維持するのが効果的です。
Q. 不合格になった場合、何回でも受験できますか?
受験回数に制限はありません。何度でも挑戦できます。不合格になった場合は、自分の弱点を分析し、次の試験に向けて対策を立て直しましょう。
Q. 勉強仲間がいないのですが、一人でも合格できますか?
一人でも十分合格は可能です。過去問アプリやオンラインの国試対策サイトを活用すれば、自宅でも効率的に学習を進められます。
まとめ
看護師国家試験の合格率は約88%ですが、新卒者に限れば約96%と高い水準です。合格のカギは、必修問題の80%確保を最優先にしつつ、過去問の反復演習で出題パターンに慣れることです。
計画的な学習スケジュールを立て、アウトプット中心の勉強法を実践すれば、着実に合格に近づくことができます。体調管理とメンタルケアも忘れずに、万全の状態で試験に臨んでください。
参考:厚生労働省「看護師国家試験」 / 看護roo!「看護師国家試験のボーダーラインと合格率」 / スタディング「看護師国家試験の合格率」


