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看護師のための感染対策の基本知識!標準予防策から経路別対策まで

看護の実務スキル・現場ノウハウ

感染対策は、看護師にとって日常業務の土台ともいえる重要なスキルです。患者さんを守るだけでなく、自分自身や同僚を院内感染から守るためにも、正しい知識と実践が欠かせません。

「基本は知っているつもりだけど、改めて整理したい」「経路別予防策の使い分けがいまいちわからない」という方に向けて、標準予防策(スタンダードプリコーション)の基本から経路別予防策の実践まで、わかりやすく解説していきます。

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感染対策は「知ってるよ」と思っていても、実際の現場で完璧にできているかは別問題だぞ。基本に立ち返って確認していこう!

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標準予防策(スタンダードプリコーション)とは

標準予防策は、感染症の有無にかかわらずすべての患者さんに対して適用する、最も基本的な感染対策です。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が提唱した概念で、世界中の医療機関で基本方針として採用されています。

標準予防策の基本的な考え方

標準予防策は「汗を除くすべての血液・体液・分泌物・排泄物、創傷のある皮膚、粘膜には、感染性の微生物が含まれている可能性がある」という前提で行動するという考え方です。

つまり、感染症の診断がついていない患者さんであっても、すべての患者さんの血液や体液には感染の可能性があるものとして対応します。

標準予防策に含まれる具体的な対策

標準予防策の構成要素
  • 手指衛生(手洗い・手指消毒)
  • 個人防護具(PPE)の使用
  • 呼吸器衛生・咳エチケット
  • 患者配置(個室管理の判断)
  • 患者に使用した器材の取り扱い
  • 環境の清掃・消毒
  • リネン類の取り扱い
  • 安全な注射手技
  • 腰椎穿刺時の感染対策

手指衛生:感染対策の基本中の基本

手指衛生は標準予防策の中でも最も重要な要素です。院内感染の多くは医療従事者の手指を介して伝播していると言われており、適切な手指衛生の実施率を上げることが感染率の低下に直結します。

WHOの「手指衛生の5つのタイミング」

WHO(世界保健機関)は、手指衛生を行うべき5つのタイミングを定めています。

手指衛生の5つのタイミング
  1. 患者に触れる前
  2. 清潔・無菌操作の前
  3. 体液に曝露された可能性のある場合(手袋を外した後も)
  4. 患者に触れた後
  5. 患者周辺の環境に触れた後

手洗いとアルコール手指消毒の使い分け

流水と石けんによる手洗いは、目に見える汚れがある場合に行います。一方、アルコール手指消毒は目に見える汚れがない場合に使用し、手洗いよりも短時間で効果的に菌を除去できます。

ただし、ノロウイルスやクロストリディオイデス・ディフィシル(旧クロストリジウム・ディフィシル)など、アルコールが効きにくい病原体に対しては流水と石けんによる手洗いが必要です。

病棟の設置品とは別に、携帯用を1本持っている看護師さんもいます。訪問先やナースステーションを離れる場面でも切らさずに済みます。

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忙しいとつい手指消毒を省略しがちだけど、ここを妥協すると院内感染のリスクが一気に上がるぞ。手指衛生は「いつもやる」のが鉄則だ!

個人防護具(PPE)の正しい使い方

個人防護具は、患者さんの血液や体液から自分自身を守るために使用します。正しい着脱順序を守ることが、防護具の効果を最大限に引き出すポイントです。

手袋の使用

手袋は血液・体液に触れる可能性がある場合に着用します。注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 手袋を着用する前に手指消毒を行う
  • 患者ごと、処置ごとに手袋を交換する
  • 手袋を外した後も手指消毒を行う(手袋は微小な穴が開いていることがある)
  • 手袋を着用しているからといって手指衛生を省略しない

マスクの使用

サージカルマスクは飛沫を遮断する目的で使用します。鼻から顎まで覆い、ワイヤーを鼻に密着させて隙間をなくすことが大切です。空気感染が疑われる場合はN95マスクを使用し、事前にフィットテストを受けておく必要があります。

ガウン・エプロンの使用

衣服が汚染される可能性がある場合に着用します。ガウンは使用後、表面に触れないように脱ぎ、適切に廃棄します。

PPEの着脱順序

PPEの着脱順序

着用順序:ガウン → マスク → フェイスシールド/ゴーグル → 手袋

脱衣順序:手袋 → フェイスシールド/ゴーグル → ガウン → マスク

脱衣時は最も汚染されている手袋を最初に外し、マスクは紐の部分を持って外します。

患者さんごとに交換する以上、手袋の消費量はどうしても多くなります。訪問看護や在宅介護など自分で用意する場面では、粉なしのニトリルタイプをまとめ買いしている方が多いようです。

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経路別予防策を理解しよう

標準予防策に加えて、感染経路に応じた追加的な対策が「経路別予防策」です。感染経路には大きく分けて3つのタイプがあります。

接触予防策

接触感染する病原体(MRSA、VRE、ノロウイルス、疥癬など)に対して適用されます。

接触予防策の要点
  • 可能な限り個室管理とする
  • 入室時に手袋・ガウンを着用する
  • 患者専用の器具(血圧計・体温計など)を用意する
  • 退室時にPPEを適切に外し、手指衛生を行う

飛沫予防策

飛沫感染する病原体(インフルエンザ、マイコプラズマ、風疹、百日咳など)に対して適用されます。

  • サージカルマスクの着用
  • 可能であれば個室管理、または同じ病原体の患者同士でのコホーティング
  • 患者のベッド間隔を1〜2m以上空ける

空気予防策

結核、麻疹、水痘など空気感染する病原体に対して適用されます。最も厳格な対策が必要です。

  • 陰圧個室での管理
  • 入室時にN95マスクを着用する
  • 患者が部屋を出る必要がある場合はサージカルマスクを着用してもらう
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経路別予防策は「標準予防策にプラスして行うもの」だぞ。標準予防策が土台にあって、その上に追加するイメージで覚えておこう!

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看護師自身の感染防止対策

針刺し事故の予防

針刺し事故は看護師にとって身近なリスクです。予防のためには以下を徹底しましょう。

  • リキャップ(注射針のカバーを戻す行為)は原則禁止
  • 使用済みの針は直ちに耐貫通性の廃棄容器に捨てる
  • 安全機構付きの注射器・翼状針を使用する
  • 針刺し事故が発生した場合は、直ちに流水で洗浄し、上司に報告する

ワクチン接種による予防

医療従事者として、B型肝炎、インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎などのワクチン接種が推奨されています。自身の抗体価を確認し、必要なワクチンを接種しておきましょう。

職業感染発生時の対応

万が一、血液・体液曝露が発生した場合は、速やかに以下の対応を行います。

注意

血液・体液曝露が発生したら、すぐに流水で十分に洗浄し、上司と感染管理担当者に報告してください。HIV曝露後予防(PEP)が必要な場合は、可能な限り曝露後2時間以内に対応を開始することが推奨されています。

環境整備と器材の消毒・滅菌

病室の環境整備

患者さんの周辺環境(ベッド柵、ナースコール、オーバーテーブル、ドアノブなど)は、高頻度接触面として定期的な清拭消毒が必要です。特に感染症患者さんの病室では、退室後のターミナルクリーニングを徹底しましょう。

器材の消毒・滅菌レベル

スポルディングの分類に基づいて、器材の用途に応じた消毒・滅菌レベルを選択します。

スポルディングの分類
  • クリティカル器材(無菌組織に接触):滅菌が必要
  • セミクリティカル器材(粘膜・創傷皮膚に接触):高水準消毒以上
  • ノンクリティカル器材(健常皮膚に接触):低〜中水準消毒

Q&A:感染対策でよくある疑問

Q1. アルコール消毒で手が荒れてしまいます。どうすればいいですか?

手荒れがあると皮膚のバリア機能が低下し、かえって感染リスクが高まります。保湿クリームをこまめに塗る、低刺激性のアルコール手指消毒剤を使用する、手洗い後はしっかり水分を拭き取ってから消毒するなどの工夫が有効です。手荒れがひどい場合は皮膚科を受診しましょう。

こまめに塗るには、ポケットに入るサイズを1本持っておくのが現実的です。勤務中でもさっと使えるよう、べたつきの少ないタイプを選ぶ方が多いようです。

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Q2. N95マスクのフィットテストはどこで受けられますか?

通常、勤務先の感染管理部門や安全管理部門で定期的にフィットテストが実施されています。未受検の場合は上司や感染管理認定看護師に相談してください。

Q3. 感染対策の最新情報はどこで入手できますか?

日本看護協会や厚生労働省のウェブサイト、国立感染症研究所の感染症情報などが信頼性の高い情報源です。また、施設内の感染管理委員会からの情報発信にも注目しておきましょう。

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感染対策は「自分と患者さんの両方を守る」ためのものだぞ。基本を押さえて、毎日の業務で確実に実践していこう!

まとめ

感染対策の基本は、標準予防策を「すべての患者さんに対して、毎回確実に実施すること」です。手指衛生の5つのタイミング、PPEの正しい着脱、経路別予防策の使い分けなど、基礎的な知識をしっかり身につけておけば、日々の業務で迷うことは大幅に減ります。

感染対策は一人の努力だけでは成り立ちません。チーム全体で意識を高め、お互いに声をかけ合いながら取り組んでいくことが大切です。

参考リンク:

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