看護師の給料は「基本給+各種手当」で構成されていますが、自分がどんな手当をもらっているか正確に把握していますか?実は、もらえるはずの手当を申請していなかったり、そもそも制度の存在を知らなかったりするケースが少なくありません。
看護師がもらえる手当は15種類以上あり、すべて合計すると月額10万円を超えることもあります。手当の種類と金額を知っているだけで、年収が数十万円変わる可能性があるのです。
この記事では、看護師がもらえる手当を種類別に一覧で整理し、それぞれの金額相場や支給条件をわかりやすく解説します。自分の給与明細と照らし合わせながら読んでみてください。

看護師の手当一覧と金額相場
看護師がもらえる手当は大きく「勤務に関する手当」「資格・役職に関する手当」「生活に関する手当」の3つに分類できます。
勤務に関する手当
| 手当の種類 | 金額相場 | 支給条件 |
|---|---|---|
| 夜勤手当 | 8,000円〜15,000円/回 | 夜勤勤務ごとに支給 |
| 残業手当(時間外手当) | 時給×1.25倍以上 | 法定労働時間を超えた場合 |
| 休日手当 | 時給×1.35倍以上 | 法定休日に出勤した場合 |
| 深夜手当 | 時給×0.25倍加算 | 22時〜5時の勤務 |
| オンコール手当 | 1,000円〜3,000円/回 | 自宅待機時に支給 |
| 危険手当(特殊勤務手当) | 5,000円〜20,000円/月 | ICU・救急・精神科など |
夜勤手当は看護師の収入の大きな柱です。二交代制の場合は1回あたり10,000円〜15,000円、三交代制の場合は準夜勤が4,000円〜8,000円、深夜勤が5,000円〜10,000円が相場です。月4回の夜勤で約4万〜6万円の上乗せになります。
夜勤手当と深夜手当は別物です。夜勤手当は施設が独自に設定する手当ですが、深夜手当(深夜割増賃金)は労働基準法で定められた法的義務です。深夜手当が支払われていない場合は違法となります。

資格・役職に関する手当
| 手当の種類 | 金額相場 | 支給条件 |
|---|---|---|
| 看護師資格手当 | 10,000円〜30,000円/月 | 正看護師の免許保持者 |
| 認定看護師手当 | 5,000円〜30,000円/月 | 認定看護師資格の保持 |
| 専門看護師手当 | 10,000円〜50,000円/月 | 専門看護師資格の保持 |
| 主任手当 | 20,000円〜50,000円/月 | 主任職に就任 |
| 師長手当 | 50,000円〜100,000円/月 | 師長職に就任 |
| プリセプター手当 | 3,000円〜10,000円/月 | 新人指導担当中 |
資格手当は施設による差が非常に大きいのが特徴です。認定看護師手当が5,000円の施設もあれば30,000円の施設もあります。資格取得を検討する際は、自施設の手当額だけでなく、転職先の相場も調べておくとよいでしょう。
日本看護協会の資格認定制度のページで、認定看護師・専門看護師の詳細を確認できます。
生活に関する手当
| 手当の種類 | 金額相場 | 支給条件 |
|---|---|---|
| 住宅手当 | 10,000円〜30,000円/月 | 賃貸住宅に居住している場合 |
| 通勤手当 | 実費支給(上限あり) | 通勤に交通費がかかる場合 |
| 扶養手当(家族手当) | 配偶者10,000円〜15,000円/月、子1人5,000円〜10,000円/月 | 扶養家族がいる場合 |
| 地域手当 | 基本給の3%〜20% | 都市部の勤務 |
| 寒冷地手当 | 10,000円〜30,000円/月 | 寒冷地域の勤務(冬季) |
住宅手当は自己申告制の施設が多いため、申請していないだけでもらえていない看護師もいます。入職時に一度手続きしたきり更新していない場合、引っ越しで条件が変わっているのに申請し直していないケースもあるので注意しましょう。
手当の多い職場の見分け方
転職先を選ぶ際に「手当が充実しているか」を見極めるポイントを整理します。
- 求人票の「月収例」ではなく「基本給」と「手当の内訳」を確認する
- 住宅手当・家族手当の有無と金額をチェック
- 夜勤手当の金額を必ず確認(施設差が大きい)
- 残業代が「みなし残業」ではなく「実績払い」かどうか
- 認定看護師手当の金額も将来のキャリアを見据えて確認
求人票には「月収30万円〜」と書かれていても、その内訳が「基本給20万円+夜勤手当5万円+残業代5万円」なのか「基本給27万円+手当3万円」なのかで、実態は大きく異なります。面接時や転職エージェントを通じて、必ず内訳を確認しましょう。

公立病院と民間病院の手当比較
手当の種類と金額は、公立病院と民間病院で異なる傾向があります。
| 手当の種類 | 公立病院 | 民間病院 |
|---|---|---|
| 地域手当 | あり(基本給の3〜20%) | なし or 少額 |
| 住宅手当 | 最大28,000円程度 | 10,000〜20,000円が多い |
| 扶養手当 | 手厚い(配偶者13,000円等) | 施設による差が大きい |
| 期末勤勉手当 | あり(ボーナスに上乗せ) | なし |
| 夜勤手当 | 規定通り | 施設独自の金額設定 |
| 退職手当 | 非常に手厚い | 施設による差が大きい |
公立病院は手当の種類が多く、金額も規定で定められているため透明性があります。一方、民間病院は施設ごとの裁量が大きく、手当が充実しているところとそうでないところの差が激しいです。
見落としがちな手当・制度
以下の手当や制度は、存在を知らないために活用できていない看護師が多いものです。
処遇改善手当
国の施策により新設された手当で、看護職員の給与を底上げするために支給されるものです。対象施設に勤務していれば月額数千円〜1万円程度が支給されます。自施設が対象かどうか、人事に確認しましょう。
特定行為研修修了手当
特定行為に係る看護師の研修制度を修了した看護師に支給される手当です。制度を導入している施設では月額5,000円〜20,000円程度がつきます。
単身赴任手当
転勤に伴い家族と別居する場合に支給されます。公立病院では月額30,000円〜70,000円と高額になることもあります。
年末年始手当
12月29日〜1月3日の勤務に対して支給される特別手当です。1日あたり3,000円〜10,000円程度。施設によっては設定がない場合もあるので確認が必要です。
手当を最大化するためのアクションプラン
手当を最大限に活用するための具体的なステップを紹介します。
ステップ1:就業規則の給与規定を読む
まず、自施設の就業規則(給与規定)を入手して、どんな手当が制度として存在するかを把握しましょう。人事部や総務部に依頼すれば閲覧できます。
ステップ2:給与明細と照合する
規定にある手当と、実際の給与明細を照合します。もらえるはずの手当が支給されていない場合は、人事に確認しましょう。
ステップ3:申請が必要な手当を洗い出す
住宅手当や扶養手当など、自己申告制の手当は申請しないともらえません。状況が変わった場合(引っ越し、結婚、出産など)も再申請が必要です。
ステップ4:資格取得を計画する
認定看護師や専門看護師の資格を取得すれば、毎月の手当が増えます。取得に必要な期間やコスト、自施設の支援制度を確認して計画を立てましょう。

よくある質問(FAQ)
Q. 手当が充実している施設はどうやって探せばいいですか?
A. 看護師専門の転職サイトで「手当充実」をキーワードに検索するか、転職エージェントに希望条件を伝えて紹介してもらう方法が効率的です。公立病院の給与規定は自治体のWebサイトで公開されていることもあります。
Q. 夜勤手当が相場より低い場合はどうすればいい?
A. まず上司や人事に改善を相談しましょう。改善が見込めない場合は、夜勤手当が高い施設への転職を検討するのも一つの方法です。
Q. 手当は課税対象ですか?
A. 通勤手当(月15万円まで)以外の手当は基本的に課税対象です。住宅手当、夜勤手当、資格手当なども所得税の対象になります。
Q. パートでも手当はもらえますか?
A. パートの場合、通勤手当や処遇改善手当は支給される場合が多いですが、住宅手当や家族手当は正社員限定の施設がほとんどです。夜勤手当は夜勤に入れば支給されます。
Q. 手当の金額に不満がある場合、交渉は可能?
A. 既存の手当額の交渉は難しいことが多いですが、転職時であれば前職の条件を提示して交渉する余地があります。転職エージェントを活用すると代わりに交渉してもらえます。
まとめ:看護師の手当は「知る」ことが年収アップの第一歩
- 看護師の手当は15種類以上。合計月額10万円を超えることもある
- 夜勤手当と深夜手当は別物。両方支給されているか確認する
- 住宅手当・扶養手当は自己申告制の施設が多いので申請漏れに注意
- 認定看護師・専門看護師の資格手当は施設差が大きい
- 公立病院は手当の種類が多く、退職金も手厚い
- 就業規則の給与規定を読んで、もらい忘れがないかチェック
看護師の収入は「基本給+手当」で決まります。手当の制度を知らないだけで年間数十万円も損をしている可能性があるのです。まずは自分の施設にどんな手当制度があるか確認し、もらい忘れがないかチェックしてみてください。それだけで給料アップにつながることがあります。


