「今年のボーナス、少なくない?」「他の病院の看護師はどのくらいもらってるんだろう?」ボーナスの時期になると、そんな疑問を感じる看護師は多いのではないでしょうか。ボーナスの金額は施設によって大きく異なるため、自分のボーナスが相場と比べてどうなのか気になるのは当然です。
看護師のボーナスの平均は年間約86万円(基本給の約3.5〜4ヶ月分)ですが、施設の種類や地域によって50万円〜120万円以上まで大きな差があります。
この記事では、看護師のボーナスの平均金額を施設別・経験年数別・地域別に徹底解説します。自分のボーナスが適正かどうか判断するための材料にしてください。

看護師のボーナス平均額
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、看護師のボーナスの全国平均は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間ボーナス平均 | 約86万円 |
| 夏のボーナス平均 | 約40万円 |
| 冬のボーナス平均 | 約46万円 |
| 支給月数の平均 | 基本給の3.5〜4.0ヶ月分 |
一般的に冬のボーナスのほうが夏のボーナスより高い傾向にあります。これは、冬のボーナスは1年間の業績評価を反映する施設が多いためです。
ただし、ボーナスは「基本給」をベースに計算されることを忘れてはいけません。月収が同じでも、基本給が20万円の施設と25万円の施設では、ボーナス4ヶ月分の金額に20万円もの差が出ます。
施設別のボーナス比較
ボーナスの金額は施設の種類によって大きく異なります。
| 施設の種類 | 年間ボーナス目安 | 支給月数 |
|---|---|---|
| 国公立病院 | 90万〜120万円 | 4.0〜4.5ヶ月 |
| 大学病院 | 85万〜110万円 | 3.8〜4.5ヶ月 |
| 大手民間病院(500床以上) | 80万〜100万円 | 3.5〜4.0ヶ月 |
| 中規模民間病院(200〜499床) | 60万〜90万円 | 3.0〜4.0ヶ月 |
| 小規模民間病院(200床未満) | 50万〜80万円 | 2.5〜3.5ヶ月 |
| クリニック | 30万〜60万円 | 2.0〜3.0ヶ月 |
| 訪問看護ステーション | 40万〜70万円 | 2.0〜3.5ヶ月 |
| 美容クリニック | 0〜100万円 | 施設による(インセンティブ型もあり) |
| 介護施設 | 40万〜60万円 | 2.0〜3.0ヶ月 |
国公立病院は支給月数が安定しており、4ヶ月以上の施設も多いです。地方公務員の給与規定に準じるため、業績による変動が少なく安定しています。
一方、美容クリニックはボーナスが0円の代わりに毎月のインセンティブ(歩合給)で大きく稼ぐ仕組みの施設もあります。ボーナスの有無だけでは年収の比較はできないので注意しましょう。

経験年数別のボーナス推移
経験年数が増えるとボーナスも上がりますが、その伸び方は施設によって異なります。
| 経験年数 | 年間ボーナス目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 1年目(初年度) | 20万〜40万円 | 夏は寸志のみの場合が多い |
| 2〜3年目 | 60万〜80万円 | フル支給が始まる |
| 4〜7年目 | 70万〜90万円 | 基本給の昇給に連動して増加 |
| 8〜12年目 | 80万〜100万円 | 主任手当がある場合はさらに上乗せ |
| 13〜20年目 | 90万〜120万円 | 管理職の場合は大幅アップ |
| 20年以上 | 90万〜130万円 | 昇給幅は緩やかに |
注意したいのは1年目のボーナスです。多くの施設では、入職後最初の夏のボーナスは寸志(5万〜10万円程度)か支給なしとなります。これは、ボーナスの査定期間に在籍していなかったためです。冬のボーナスから本格的に支給されるのが一般的です。
ボーナスに影響する要素
ボーナスの金額を左右する要素は複数あります。
基本給の金額
ボーナスは「基本給×支給月数」で計算されるのが一般的です。そのため、月収が同じでも基本給の割合が高い施設ほどボーナスが多くなります。手当で底上げされた月収と、基本給自体が高い月収では、ボーナスに大きな差が出ます。
病院の経営状況
民間病院の場合、経営状況によってボーナスが減額されることがあります。「前年4.0ヶ月→今年3.0ヶ月」のように大幅にカットされるケースもあるので、求人票に書かれた支給月数は過去の実績であることに注意しましょう。
人事評価
一部の施設では人事評価をボーナスに反映させる仕組みを導入しています。評価が高ければ支給月数に0.1〜0.5ヶ月分の上乗せがあるケースもあります。逆に評価が低いと減額されることもあります。
勤怠状況
欠勤や遅刻が多いとボーナスが減額される施設もあります。特に休職期間がある場合は、その期間に応じてボーナスが日割り計算されることが一般的です。

地域別のボーナス比較
都市部と地方ではボーナスの金額にも差があります。
| 地域 | 年間ボーナス目安 |
|---|---|
| 東京都 | 95万〜110万円 |
| 神奈川県・大阪府 | 85万〜100万円 |
| 愛知県・福岡県 | 80万〜95万円 |
| その他の政令指定都市 | 75万〜90万円 |
| 地方(人口30万人未満) | 60万〜80万円 |
地域差が生まれる主な理由は、地域の物価水準に連動した基本給の違いです。基本給が高い都市部のほうが、ボーナスも高くなります。
ボーナスが少ないときの対処法
対処法1:基本給の高い施設に転職する
ボーナスの金額は基本給に比例します。基本給が高い施設に転職すれば、同じ支給月数でもボーナスの額は増えます。転職の際は「月収」ではなく「基本給」に注目して比較しましょう。
対処法2:公立病院を検討する
公立病院は支給月数が4ヶ月以上と安定しており、経営状況による減額リスクも低いです。安定したボーナスを求めるなら公立病院は有力な選択肢です。
対処法3:賞与の支給実績を確認する
求人票の「賞与○ヶ月分」は過去の実績であり、保証ではありません。面接時に「直近3年間の支給実績」を確認することで、ボーナスの安定性を判断できます。日本看護協会のデータベースでも地域別の賞与情報を参考にできます。
対処法4:人事評価を上げる
評価連動型の施設であれば、人事評価を上げることでボーナスを増やせます。目標管理シートの達成度を高める、委員会活動や研修に積極的に参加するなど、評価につながる行動を意識しましょう。
ボーナスの手取り額を計算する方法
ボーナスからは社会保険料と所得税が差し引かれるため、手取りは額面の約75〜80%程度になります。
| 控除項目 | 控除率の目安 |
|---|---|
| 健康保険料 | 約5% |
| 厚生年金保険料 | 約9.15% |
| 雇用保険料 | 約0.6% |
| 所得税 | 約5〜10%(扶養人数等により変動) |
| 合計控除 | 約20〜25% |
たとえば額面50万円のボーナスの場合、手取りは約37.5万〜40万円になります。「思ったより少ない」と感じるのは、この控除の影響が大きいです。住民税はボーナスからは引かれませんが、翌年の住民税に反映されます。

よくある質問(FAQ)
Q. 看護師1年目のボーナスはいくらですか?
A. 施設にもよりますが、1年目の年間ボーナスは20万〜40万円程度です。最初の夏のボーナスは寸志(5万〜10万円)か支給なしのケースが多く、冬から本格的に支給されます。
Q. ボーナスが出ない施設もありますか?
A. あります。特に小規模クリニックや経営状況が厳しい施設ではボーナスが出ないこともあります。また、美容クリニックではボーナスの代わりにインセンティブ制度を採用しているところもあります。
Q. 転職直後のボーナスはもらえますか?
A. 入職時期によります。ボーナスの査定期間(通常4〜9月→冬のボーナス、10〜3月→夏のボーナス)に在籍していれば、日割りや按分で支給されることが多いです。入職前に確認しましょう。
Q. パート看護師にもボーナスは出ますか?
A. 施設によりますが、パートにもボーナスを支給する施設は増えています。金額は正社員の半額程度、あるいは一律数万円の寸志というケースが多いです。
Q. ボーナスの金額について交渉はできますか?
A. 既存の施設でボーナス額を交渉するのは難しいですが、転職時であれば「前職ではボーナス○ヶ月分だったので、それ以上を希望します」という形で交渉できます。
まとめ:看護師のボーナスは基本給と施設選びで決まる
- 看護師のボーナス平均は年間約86万円(基本給の3.5〜4ヶ月分)
- 国公立病院は支給月数が安定しており4ヶ月以上の施設も多い
- ボーナスは基本給をベースに計算されるので、基本給の高さが重要
- 施設の経営状況によって減額されるリスクがある(特に民間病院)
- 手取りは額面の約75〜80%。社会保険料と所得税が差し引かれる
- 転職時は「直近3年間のボーナス支給実績」を必ず確認する
ボーナスは看護師の年収を大きく左右する要素です。基本給が高く、支給月数が安定している施設を選ぶことが、長期的な収入アップにつながります。まずは自分のボーナスが相場と比べてどうか確認し、必要であれば転職も視野に入れて検討してみてください。


