「夜勤手当って、今もらってる金額は適正なの?」と気になったことはありませんか。夜勤は看護師の収入を大きく左右する要素ですが、手当の金額は施設によって驚くほど差があります。同じ夜勤をしていても、施設が違えば月額2万〜3万円の差が出ることも珍しくありません。
夜勤手当の相場は、二交代で1回10,000円〜15,000円、三交代の準夜勤で4,000円〜8,000円、深夜勤で5,000円〜10,000円です。ただし、これに法定の深夜割増賃金が加算されるため、実際の上乗せ額はさらに大きくなります。
この記事では、看護師の夜勤手当の相場を勤務形態別・施設別に詳しく解説し、夜勤が手取りにどのくらい影響するかを具体的な数字で紹介します。自分の夜勤手当が適正かどうかの判断材料にしてください。

夜勤手当の仕組みを理解する
まず、夜勤に関する「手当」には2種類あることを理解しましょう。
1. 夜勤手当(施設独自の手当)
施設が独自に設定する手当です。法律で義務付けられたものではなく、金額も施設が自由に決められます。「夜勤1回あたり○○円」という形で支給されます。
2. 深夜割増賃金(法定の割増)
労働基準法により、22時〜翌5時の勤務には基本時給の25%以上を割増して支払う義務があります。これは法的義務なので、支払わない施設は違法です。
夜勤手当と深夜割増賃金は別物です。「夜勤手当を払っているから深夜割増は不要」という施設は違法の可能性があります。夜勤手当はあくまで上乗せの手当であり、法定の深夜割増賃金は別途支給される必要があります。
勤務形態別の夜勤手当相場
二交代制の夜勤手当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勤務時間 | 16:00〜翌9:00(約16時間) |
| 夜勤手当の相場 | 10,000円〜15,000円/回 |
| 平均的な月の夜勤回数 | 4〜5回 |
| 月額の夜勤手当合計 | 40,000円〜75,000円 |
二交代制は1回の勤務時間が長い分、夜勤手当の単価も高く設定されています。16時間の長時間勤務はきついですが、まとまった休みが取りやすいというメリットもあります。
三交代制の夜勤手当
| 勤務区分 | 勤務時間 | 夜勤手当の相場 |
|---|---|---|
| 準夜勤 | 16:00〜0:00(約8時間) | 4,000円〜8,000円/回 |
| 深夜勤 | 0:00〜8:00(約8時間) | 5,000円〜10,000円/回 |
三交代制は準夜勤と深夜勤を合わせて月8〜10回程度の夜勤をこなします。1回あたりの手当は二交代より低いですが、回数が多いため月額の合計は同程度になることが多いです。

施設別の夜勤手当比較
夜勤手当の金額は施設の種類によっても異なります。
| 施設の種類 | 二交代の手当/回 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国公立病院 | 10,000円〜12,000円 | 規定通りで安定 |
| 大学病院 | 10,000円〜14,000円 | 急性期の負担に応じた設定 |
| 大手民間病院 | 11,000円〜16,000円 | 人材確保のため高めに設定する施設も |
| 中小民間病院 | 8,000円〜12,000円 | 施設差が大きい |
| 療養型病院 | 8,000円〜11,000円 | 急性期より低めの傾向 |
| 精神科病院 | 9,000円〜13,000円 | 危険手当が別途つく場合あり |
大手民間病院は人材確保のために夜勤手当を高めに設定する傾向があります。特に看護師不足が深刻な地域では、1回あたり15,000円以上の施設も見られます。
夜勤手当が手取りに与える影響
夜勤手当の有無で手取りがどのくらい変わるか、具体的にシミュレーションしてみましょう。
| 項目 | 日勤のみ | 夜勤月4回 | 夜勤月6回 |
|---|---|---|---|
| 基本給 | 230,000円 | 230,000円 | 230,000円 |
| 夜勤手当 | 0円 | 48,000円 | 72,000円 |
| 深夜割増賃金 | 0円 | 約12,000円 | 約18,000円 |
| その他手当 | 30,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
| 月収(税込) | 260,000円 | 320,000円 | 350,000円 |
| 手取り目安 | 約210,000円 | 約255,000円 | 約280,000円 |
| 年収(ボーナス含む) | 約400万円 | 約472万円 | 約508万円 |
夜勤月4回と日勤のみでは、年間で約72万円の差が出ます。月6回なら約108万円の差です。夜勤が看護師の収入に占める割合がいかに大きいかがわかります。
逆に言えば、産休・育休後に夜勤を減らした場合や、クリニックに転職して夜勤がなくなった場合、年収が大幅にダウンする可能性があるということです。転職やキャリアチェンジの際は、夜勤手当の減少分を考慮に入れましょう。

夜勤専従の手当と収入
夜勤専従とは、日勤をせずに夜勤だけで働く勤務形態です。夜勤の回数を大幅に増やすことで、高収入を実現できます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 月の夜勤回数 | 10〜12回 |
| 夜勤手当の月額合計 | 100,000円〜180,000円 |
| 月収(税込) | 380,000円〜450,000円 |
| 年収 | 500万〜600万円 |
夜勤専従は日勤の煩わしさ(委員会、会議、研修など)から解放される点もメリットです。出勤日数が少ないため、まとまった休日を確保しやすいのも人気の理由です。
ただし、体への負担は大きく、生活リズムの乱れによる健康リスクもあります。長期間続ける場合は、定期的な健康チェックが欠かせません。
夜勤手当を増やすための戦略
戦略1:夜勤手当が高い施設に転職する
最もシンプルで効果的な方法です。夜勤手当が1回2,000円高い施設に移るだけで、月4回の夜勤なら月額8,000円、年間96,000円の差になります。看護師専門の転職サイトで夜勤手当の金額を比較してみましょう。
戦略2:夜勤回数の調整を交渉する
体力に余裕があれば、夜勤回数を増やすことを上司に相談できます。人手不足の病棟では、夜勤を増やしてくれる看護師は歓迎されることが多いです。
戦略3:夜勤専従を検討する
日勤をなくして夜勤に集中することで、効率的に高収入を得られます。夜勤専従の求人は正社員だけでなく、パートやアルバイトの形態でも募集されています。
戦略4:急性期や特殊な診療科を選ぶ
ICUや救急外来は夜勤手当に加えて特殊勤務手当がつくことがあります。複数の手当を重ねることで、夜勤時の収入をさらに増やせます。
夜勤と健康管理
夜勤手当は魅力的ですが、健康を犠牲にしてまで夜勤を増やすのは得策ではありません。労働政策研究・研修機構の調査では、夜勤回数が多い看護師ほど睡眠障害や疲労感を訴える割合が高いというデータがあります。
夜勤を続けながら健康を維持するための基本は以下の通りです。
- 夜勤明けは最低でも4〜5時間のまとまった睡眠を確保する
- 夜勤前の仮眠(2〜3時間)を取る習慣をつける
- 夜勤中の食事は消化の良いものを少量ずつ摂る
- カフェインの摂取は夜勤前半までにとどめる
- 定期的な運動で体力を維持する

よくある質問(FAQ)
Q. 夜勤手当が1回5,000円なのですが、安すぎますか?
A. 三交代の準夜勤であれば相場の範囲内ですが、二交代であれば相場(10,000円〜15,000円)を大きく下回っています。二交代で5,000円は安いと言わざるを得ないので、転職を検討する価値があります。
Q. 夜勤手当に上限はありますか?
A. 法律上の上限はありません。施設が独自に設定するものなので、1回20,000円以上の施設も存在します。ただし、税金や社会保険料も増えるため、手取りへの影響は額面通りではありません。
Q. 夜勤手当は課税対象ですか?
A. はい、夜勤手当は全額課税対象です。所得税・住民税の計算に含まれます。深夜割増賃金も同様に課税対象です。
Q. 準夜勤と深夜勤で手当が同じなのはおかしい?
A. 施設によっては同額のところもありますが、一般的には深夜勤のほうが高く設定されています。身体的な負担が大きい深夜勤のほうが高いのが合理的です。
Q. 夜勤中の仮眠時間も夜勤手当の対象ですか?
A. 仮眠時間も勤務時間に含まれるため、夜勤手当の対象です。ただし、仮眠中に呼び出しがあれば対応する必要がある「手待ち時間」であるため、完全な休憩とは異なります。
まとめ:夜勤手当の相場を知って、適正な評価を受けよう
- 二交代の夜勤手当は1回10,000円〜15,000円が相場
- 三交代は準夜勤4,000円〜8,000円、深夜勤5,000円〜10,000円
- 夜勤手当と法定の深夜割増賃金は別物。両方支給されているか確認
- 夜勤月4回と日勤のみで年間約72万円の収入差がある
- 夜勤専従なら年収500万〜600万円も可能
- 健康管理とのバランスを考えながら夜勤回数を調整する
夜勤手当は看護師の収入を大きく左右する重要な要素です。自分の夜勤手当が相場と比べて低いと感じたら、施設への相談や転職を検討してみましょう。ただし、収入だけでなく健康面も含めたトータルのバランスで判断することが大切です。


