「整形外科の看護師ってどんな仕事をしているんだろう?」「年収はどのくらいもらえるの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
整形外科は骨折や関節疾患、スポーツ外傷などを扱う診療科で、患者さんのADL(日常生活動作)の回復をサポートするという、目に見える成果を実感しやすいやりがいのある職場です。
この記事では、整形外科で働く看護師の仕事内容、年収相場、メリット・デメリット、向いている人の特徴まで詳しく解説します。整形外科への転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

整形外科看護師の仕事内容
整形外科看護師の仕事は、病棟勤務か外来・クリニック勤務かで大きく異なります。それぞれの具体的な業務内容を見ていきましょう。
病棟勤務の仕事内容
整形外科病棟は入退院が頻繁にあるのが特徴で、周手術期の看護が大きな割合を占めます。
- 入退院の対応・オリエンテーション
- 手術前の準備(手術出し)
- 手術後のバイタルサイン管理・疼痛コントロール
- ギプスや装具の管理・観察
- 牽引療法中の患者さんのケア
- リハビリテーションのサポート・ADL拡大の援助
- 褥瘡予防のための体位変換
- 退院指導(自宅での生活動作の注意点など)
整形外科病棟の大きな特徴は、患者さんのADLを向上させることが看護の重要な目標になる点です。骨折や関節の手術を受けた患者さんが、リハビリを経て歩けるようになったり、日常生活を自分で送れるようになったりする過程をサポートしていきます。
外来・クリニック勤務の仕事内容
整形外科外来やクリニックでは、以下のような業務が中心になります。
- 医師の診察介助
- レントゲン撮影室への誘導
- 患部の消毒・滅菌処置
- ギプス・包帯・テーピングの交換
- 注射・点滴(関節内注射の介助を含む)
- リハビリテーション科との連携
- 患者さんへの自宅でのケア指導
クリニックでは外傷の処置が多く、交通事故やスポーツでの怪我など、急な患者さんへの対応も求められます。

整形外科看護師の年収・給料相場
整形外科看護師の年収は、勤務形態や施設の規模によって幅があります。
- 病棟勤務(夜勤あり):年収450万〜500万円程度
- クリニック・外来(日勤のみ):年収350万〜420万円程度
- 大学病院・大規模病院:年収480万〜530万円程度
夜勤の有無が年収に大きく影響するのは他の診療科と同様です。病棟勤務で月4〜5回の夜勤をこなしている場合は、夜勤手当が月3万〜5万円程度上乗せされるため、年収500万円前後を狙えます。
一方、クリニックや外来のみの勤務では夜勤手当がつかないため、年収は350万〜420万円程度になることが一般的です。ただし残業が少ない職場も多いため、ワークライフバランスとの兼ね合いで選ぶ方も少なくありません。
年収をアップさせるには
整形外科で年収アップを目指すなら、以下の方法が考えられます。
- 夜勤回数を増やす
- 認定看護師(摂食・嚥下障害看護、皮膚・排泄ケアなど関連分野)の資格を取得する
- 主任・師長などの管理職を目指す
- 規模の大きい病院へ転職する
整形外科看護師のメリット
患者さんの回復過程を見守れる
整形外科の最大の魅力は、患者さんが元気になっていく姿を直接見届けられることです。歩けなかった患者さんが少しずつリハビリを重ねて自力で歩けるようになる瞬間は、看護師として大きなやりがいを感じられます。
コミュニケーションが取りやすい患者さんが多い
整形外科の患者さんは意識がはっきりしている方がほとんどです。そのため患者さんとしっかりコミュニケーションを取りながら看護を進められるのが特徴です。リハビリの目標を一緒に考えたり、退院後の生活について相談したりと、信頼関係を築きやすい環境です。
幅広い年齢層の看護経験が積める
整形外科には、スポーツで怪我をした10代の患者さんから、骨折で入院された高齢の患者さんまで幅広い年齢層が集まります。さまざまな年代の患者さんへの対応力が自然と身につきます。
看護技術の基本をしっかり実践できる
体位変換、移乗介助、包帯法、疼痛管理など、看護の基本スキルを日常的に実践できる環境です。基礎をしっかり固めたい方にとっても良い職場と言えるでしょう。
整形外科看護師のデメリット・大変なこと
体力的な負担が大きい
整形外科の患者さんは自力で動けない方が多いため、移乗介助や体位変換など力仕事が多いのが現実です。看護師自身が腰を痛めてしまうケースも珍しくなく、ボディメカニクスを意識した動作が欠かせません。
急変は少ないが緊急入院は多い
骨折などの外傷は突発的に発生するため、緊急入院の対応が頻繁にあります。予定通りに業務が進まないことも多く、臨機応変な対応力が求められます。
リハビリに前向きでない患者さんへの対応
リハビリを嫌がる患者さんや、痛みへの不安から動くことを拒否する患者さんもいます。そうした方のモチベーションを引き出すのも看護師の大切な役割ですが、精神的に消耗する場面もあるでしょう。

整形外科看護師に向いている人
体を動かすのが好きな人
移乗介助やリハビリのサポートなど、身体を使う場面が多い整形外科。アクティブに動くことが苦にならない方に向いています。
チームワークを大切にできる人
整形外科では、医師・理学療法士・作業療法士・医療ソーシャルワーカーなど、多職種との連携が不可欠です。チームで患者さんを支える意識を持てる方にフィットする職場です。
長期的な関わりにやりがいを感じる人
整形外科の入院期間は比較的長くなることもあり、患者さんとじっくり向き合える時間があります。短期間での回転よりも、一人の患者さんに深く関わりたい方におすすめです。
整形外科看護師に役立つ資格
整形外科でのキャリアをさらに広げたい方に役立つ資格を紹介します。
- 運動器看護師:日本運動器看護学会が認定する資格で、整形外科看護のスペシャリストとしての知識を証明できます
- 皮膚・排泄ケア認定看護師:褥瘡予防のスキルは整形外科で大いに役立ちます
- 骨粗鬆症マネージャー:高齢の患者さんが多い整形外科では需要の高い知識です
整形外科看護師の1日のスケジュール例(病棟勤務)
整形外科病棟で働く看護師の日勤帯の一般的なスケジュールを紹介します。
- 8:30 出勤・情報収集・申し送り
- 9:00 患者さんのバイタルチェック・状態観察
- 9:30 清潔ケア・体位変換・包帯交換
- 10:00 手術出しの準備・オリエンテーション
- 11:00 手術後の迎え・術後管理開始
- 12:00 配薬・食事介助
- 13:00 休憩
- 14:00 リハビリのサポート・退院指導
- 15:00 カンファレンス・記録
- 16:00 夜勤への申し送り
- 17:00 退勤
整形外科病棟の特徴として、午前中は手術の送り出しや処置が集中し、午後はリハビリのサポートや退院指導に時間を使うケースが多いです。入退院の回転が速い日はバタバタすることもありますが、業務の流れ自体はパターン化しやすい傾向にあります。
整形外科看護師の転職を成功させるポイント
整形外科への転職を検討している方に向けて、成功のポイントをまとめます。
施設の規模と体制を確認する
大学病院や総合病院の整形外科では、人工関節置換術や脊椎手術など高度な手術を多く経験できます。一方、クリニックでは外傷処置や関節注射の介助が中心です。自分がどんなスキルを身につけたいかを考えて施設を選びましょう。
リハビリスタッフとの連携体制を確認する
理学療法士や作業療法士との連携が円滑かどうかは、整形外科での働きやすさに直結します。見学の際にリハビリスタッフとの関わり方を観察してみることをおすすめします。
腰痛対策の制度があるか確認する
整形外科は体力を使う場面が多いため、ボディメカニクスの研修や福利厚生として整体補助などを設けている施設もあります。自分の体を守る環境が整っているかも重要なチェックポイントです。
整形外科看護師に関するよくある質問
Q. 整形外科は残業が多いですか?
施設によりますが、緊急入院が多い分、突発的な残業が発生しやすい傾向があります。ただし、クリニック勤務であれば比較的残業は少なめです。
Q. 整形外科未経験でも転職できますか?
はい、未経験からの転職は十分可能です。基本的な看護スキルがあれば、整形外科特有の知識は入職後に学んでいけます。研修制度が充実している病院を選ぶとスムーズです。
Q. 男性看護師も多いですか?
はい、整形外科は体力を使う業務が多いため、男性看護師が比較的多い診療科の一つです。男性看護師も活躍しやすい環境と言えます。
Q. 整形外科での看護経験は他の診療科に活かせますか?
はい、整形外科で身につくスキルは幅広い場面で活かせます。体位変換や移乗介助の技術はどの診療科でも必要ですし、術後の疼痛コントロールや褥瘡予防の知識は高齢者看護の現場でも重宝されます。特にリハビリ関連の知識は訪問看護や介護施設でも高く評価されるポイントです。
まとめ
整形外科で働く看護師は、患者さんのADL回復をサポートするという大きなやりがいを感じられる仕事です。年収は病棟勤務で450万〜500万円程度、クリニック勤務で350万〜420万円程度が相場となっています。
体力的な負担はあるものの、患者さんの回復を直接見届けられる達成感は整形外科ならではの魅力です。多職種連携を通じて幅広い経験を積みたい方にとっても、成長できる環境と言えるでしょう。
整形外科への転職を考えている方は、まずは転職サイトで求人情報をチェックし、自分に合った職場を探してみてください。
(参考)レバウェル看護「整形外科看護師の仕事内容」、コメディカルドットコム「整形外科看護師の仕事内容」、すべらない転職「整形外科看護師の転職事情」)


