「泌尿器科って具体的にどんな仕事をするの?」「年収はどのくらい?」と気になっている看護師の方は多いのではないでしょうか。
泌尿器科は腎臓・膀胱・尿管・前立腺などの疾患を扱う診療科で、内科的治療から手術まで幅広い看護経験を積むことができます。ADLが自立している患者さんが多いため身体介助の負担が少ないという特徴もあり、転職先として注目されています。
この記事では、泌尿器科看護師の仕事内容、年収相場、メリット・デメリット、向いている人の特徴まで詳しく解説していきます。

泌尿器科看護師の仕事内容
泌尿器科の看護師の仕事は、外来と病棟で大きく異なります。それぞれの業務内容を具体的に紹介します。
外来・クリニック勤務の仕事内容
泌尿器科の外来では、以下のような業務が中心です。
- 患者さんのバイタルチェック・問診
- 採血・採尿の対応
- 医師の診察介助
- レントゲン・腹部エコー検査の介助
- 膀胱鏡検査の準備・介助
- 抗生剤などの点滴
- 服薬指導
泌尿器科の外来はデリケートな部位の診察が多いため、患者さんの羞恥心への配慮が非常に重要です。特に女性患者さんの場合は、声かけやカーテンの使い方一つで安心感が大きく変わります。
病棟勤務の仕事内容
泌尿器科病棟では、手術を受ける患者さんの看護が多くなります。
- 手術前のオリエンテーション・準備
- 手術後のバイタルサイン管理
- 尿道バルーンカテーテルの挿入・管理・交換
- 膀胱洗浄
- 導尿
- ストーマ(人工膀胱)の管理・ケア指導
- 化学療法を受ける患者さんの看護
- 退院指導(自己導尿の方法、ストーマケアなど)
泌尿器科病棟の特徴として、周術期の患者さんだけでなく化学療法を受ける患者さんも入院しているため、内科的な知識と外科的な知識の両方を身につけることができます。
泌尿器科特有のスキル
泌尿器科で働くと、以下のような専門的なスキルを習得できます。
- カテーテル管理の専門知識
- ストーマケアの技術
- 排尿障害に関するアセスメント力
- 化学療法の副作用管理
- 腎機能に関する知識(検査データの読み方など)

泌尿器科看護師の年収・給料相場
泌尿器科看護師の年収は、勤務形態や施設によって異なりますが、おおよその目安は以下のとおりです。
- 病棟勤務(夜勤あり):年収450万〜500万円程度
- クリニック・外来(日勤のみ):年収350万〜420万円程度
- 大規模病院・大学病院:年収480万〜530万円程度
求人情報では月収33万円台〜、年収490万円前後の募集も見られます。看護師全体の平均年収と比較しても、大きな差はない水準と言えるでしょう。夜勤の回数や施設の規模、経験年数によって変動するため、求人ごとの条件をしっかり確認することが大切です。
泌尿器科看護師のメリット
身体介助の負担が少ない
泌尿器科の患者さんはADLが自立している方が多いため、体位変換や移乗介助などの身体的負担が他の診療科と比べて少ない傾向にあります。腰痛持ちの方や体力面に不安がある方にとっては、長く働き続けやすい環境です。
内科・外科両方のスキルが身につく
泌尿器科では手術を受ける患者さんの看護(外科的スキル)と、化学療法や慢性疾患の管理(内科的スキル)の両方を経験できます。看護師としてのスキルの幅が広がるため、キャリアの選択肢も広がります。
男性看護師も活躍しやすい
泌尿器科は男性の患者さんが多い傾向にあり、他の診療科と比べて男性看護師の割合が高めです。男性看護師にとっては働きやすい環境と言えるでしょう。
専門資格でキャリアアップが狙える
排泄ケアやストーマケアの専門資格を取得することで、キャリアアップにつなげることができます。皮膚・排泄ケア認定看護師などの資格は泌尿器科での経験が大いに活かされます。
泌尿器科看護師のデメリット・大変なこと
デリケートな対応が求められる
排尿や性機能に関する疾患を扱うため、患者さんの心理面への配慮が常に求められます。恥ずかしさから症状を正直に話せない患者さんも多いため、信頼関係を築く力が重要です。
感染対策への意識が必要
尿路感染症のリスクが高い処置(カテーテル挿入・膀胱洗浄など)が多いため、清潔操作の徹底が求められます。感染対策の知識は泌尿器科看護師にとって欠かせないスキルです。
がん患者さんの看護で精神的な負担があることも
腎がんや膀胱がん、前立腺がんなどの重い疾患の患者さんも入院してきます。終末期の看護を担当することもあり、精神的に辛くなる場面も経験するかもしれません。

泌尿器科看護師に向いている人
患者さんの気持ちに寄り添える人
デリケートな悩みを抱えた患者さんに対して、思いやりのある対応ができる方が向いています。恥ずかしい思いをさせないよう配慮しながらも、必要な情報をしっかり聞き取る力が求められます。
清潔操作に自信がある人
カテーテル管理をはじめとした無菌操作が日常的に行われるため、感染対策を徹底できる几帳面な方にフィットします。
幅広い看護スキルを身につけたい人
内科と外科の両方の知識を学びたい方にとって、泌尿器科は理想的な環境です。化学療法の管理からストーマケアまで、多様な経験を積むことができます。
泌尿器科看護師のキャリアパス
泌尿器科での経験を活かして、以下のようなキャリアアップが可能です。
- 皮膚・排泄ケア認定看護師:ストーマケアや排泄ケアの専門家として活躍
- 透析看護:腎疾患に関する知識を活かして透析室への異動・転職
- がん化学療法看護認定看護師:化学療法の経験を深めて資格取得
- 訪問看護:在宅でのカテーテル管理やストーマケアの需要は高い
泌尿器科看護師の1日のスケジュール例
泌尿器科病棟で働く看護師の日勤帯のスケジュール例を紹介します。
- 8:30 出勤・情報収集・申し送り
- 9:00 バイタルチェック・患者さんの状態観察
- 9:30 カテーテル管理・膀胱洗浄・清潔ケア
- 10:00 手術出し準備・化学療法の投薬管理
- 11:00 術後の観察・ドレーン管理
- 12:00 配薬・食事介助
- 13:00 休憩
- 14:00 ストーマケア指導・退院指導
- 15:00 カンファレンス・記録作成
- 16:00 夜勤への申し送り
- 17:00 退勤
泌尿器科はカテーテル関連の処置が日常的に行われるため、午前中にまとまった時間を使ってケアを行うのが一般的です。化学療法がある日は投薬管理に時間を要するため、チームでの業務分担が重要になります。
泌尿器科看護師への転職を成功させるポイント
泌尿器科の基礎知識を予習しておく
面接前に、前立腺肥大症・膀胱がん・尿路結石などの代表的な疾患について基礎知識を持っておくと、志望度の高さをアピールできます。カテーテル管理の経験があれば積極的に伝えましょう。
内科・外科どちらの経験も活かせることを伝える
泌尿器科は内科と外科の両方の要素を持つ診療科です。過去の内科経験(化学療法など)や外科経験(周術期看護など)をどちらも活かせる点をアピールすると好印象です。
患者さんへの配慮の姿勢を示す
デリケートな部位を扱う泌尿器科では、患者さんの羞恥心への配慮が欠かせません。面接では「患者さんの気持ちに寄り添いたい」という姿勢を具体的に伝えると評価されやすいです。
泌尿器科看護師に関するよくある質問
Q. 女性看護師が泌尿器科で働くのは抵抗がありますか?
最初は戸惑いを感じる方もいますが、医療行為として割り切れるようになる方がほとんどです。患者さん側も「女性看護師の方が丁寧で安心する」という声もあり、性別を理由に不利になることはありません。
Q. 泌尿器科未経験でも転職できますか?
はい、可能です。カテーテル管理や点滴などの基本的な看護スキルがあれば、泌尿器科特有の知識は入職後に学べます。教育体制が整った施設を選ぶとスムーズに馴染めるでしょう。
Q. 泌尿器科はきついですか?
身体介助は少ないため体力的にはきつくない反面、がん患者さんの看護や精神的なケアの場面では負担を感じることもあります。「きつさ」の種類が他の診療科と異なると考えてよいでしょう。
Q. 泌尿器科で役立つ勉強方法はありますか?
泌尿器科に特化した参考書として、「泌尿器科ナーシング」などの専門誌が参考になります。また、院内の勉強会やカテーテル管理の実技研修に積極的に参加することで、効率よくスキルアップできるでしょう。日本泌尿器科学会のウェブサイトでも、疾患に関する基礎情報を確認することができます。
Q. 泌尿器科から転職する場合、どんな診療科が合いますか?
泌尿器科での経験は、透析室・腎臓内科・ストーマ外来・訪問看護など幅広い分野に活かせます。特にカテーテル管理やストーマケアの経験は在宅医療の現場で高く評価されるため、訪問看護への転職を検討する方も多いです。また、皮膚・排泄ケア認定看護師の道に進む方もいます。
まとめ
泌尿器科は、内科・外科両方のスキルを磨ける貴重な診療科です。年収は病棟勤務で450万〜500万円程度、クリニック勤務で350万〜420万円程度が相場です。
身体介助の負担が少なく、専門的なキャリアパスも豊富なため、長く看護師として活躍し続けたい方にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
泌尿器科への転職に興味がある方は、転職サイトで求人情報をチェックしてみてください。非公開求人の中にも条件の良い職場が見つかるかもしれません。
(参考)レバウェル看護「泌尿器科看護師の仕事内容・役割」、ナースステップ「泌尿器科の看護師の仕事内容」、MC-ナースネット「泌尿器科で働く看護師の仕事内容」)


