「退職したいけど、次の仕事が見つかるまでの生活費が心配」「失業保険っていくらもらえるの?」と不安に思っている看護師さんは多いのではないでしょうか。
失業保険(正式には「雇用保険の基本手当」)は、退職後の生活を支えながら次の就職先を探すための制度です。看護師は求人が豊富な職種のため比較的早く再就職しやすいですが、それでも退職後に一定期間の収入を確保できると安心ですよね。
この記事では、看護師が失業保険をもらうための条件、もらえる金額、手続きの流れを詳しく解説します。

失業保険の受給条件
失業保険を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること
- ハローワークに来所し、求職の申込みをしていること
- 就職する意思と能力があること
- 積極的に求職活動を行っていること
ただし、会社都合退職や正当な理由のある自己都合退職(体調不良・ハラスメントなど)の場合は、「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当し、被保険者期間が6か月以上あれば受給できます。
失業保険でもらえる金額
基本手当日額の計算方法
失業保険の1日あたりの金額(基本手当日額)は、以下の計算式で算出します。
賃金日額 = 離職前6か月間の給与総額 ÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)
給付率は賃金日額が低いほど高くなる仕組みで、おおむね退職前の給与の5〜8割程度が支給されます。
看護師の場合の目安
月収別の失業保険目安(参考値)
- 月収20万円 → 基本手当日額 約4,500〜5,300円 → 月額約13〜16万円
- 月収25万円 → 基本手当日額 約5,300〜5,800円 → 月額約16〜17万円
- 月収30万円 → 基本手当日額 約5,800〜6,400円 → 月額約17〜19万円
- 月収35万円 → 基本手当日額 約6,000〜6,800円 → 月額約18〜20万円
※年齢・賃金日額により異なります。正確な金額はハローワークで確認してください。
給付制限期間について
退職理由によって、失業保険が支給されるまでの期間が変わります。
自己都合退職の場合
自己都合退職の給付制限期間は原則1か月に短縮されています。ただし、7日間の待機期間に加えて、この給付制限期間を経てからの支給開始となります。
会社都合退職の場合
会社都合退職(解雇・閉院など)の場合は、給付制限期間なしで、7日間の待機期間が終われば支給が開始されます。給付日数も自己都合より多くなります。
「自己都合」と「会社都合」では給付日数や給付制限が大きく異なります。退職理由が不当な場合は、ハローワークで相談すれば離職理由の変更が認められるケースもあります。

失業保険の手続きの流れ
- 退職時に離職票をもらう:勤務先から「離職票-1」「離職票-2」を受け取る(退職後10日〜2週間程度で届く)
- ハローワークに行く:住所地のハローワークで求職申込みと離職票の提出を行う
- 7日間の待機期間:申し込み日から7日間は全員一律で待機期間
- 雇用保険受給説明会に参加:受給資格の決定後に案内される
- 失業認定日にハローワークへ:4週間に1回、求職活動の実績を報告する
- 失業保険の振り込み:認定後、数日〜1週間程度で指定口座に振り込まれる
手続きに必要なもの
- 離職票-1、離職票-2
- マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類
- 証明写真(縦3cm×横2.4cm)2枚
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
給付日数はどのくらい?
失業保険の給付日数は、退職理由と雇用保険の加入期間によって決まります。
自己都合退職の場合
- 加入期間10年未満:90日
- 加入期間10年以上20年未満:120日
- 加入期間20年以上:150日
会社都合退職の場合
年齢と加入期間によって90〜330日の範囲で設定されます。自己都合退職より手厚い給付が受けられます。

失業保険をもらうときの注意点
求職活動の実績が必要
失業保険を継続してもらうためには、4週間の認定期間内に原則2回以上の求職活動実績が必要です。求職活動には、ハローワークでの職業相談、求人への応募、転職サイトへの登録なども含まれます。
アルバイト・パートをする場合
失業保険の受給中にアルバイトをすること自体は禁止されていませんが、ハローワークへの申告が必要です。申告せずに働くと不正受給になるため注意しましょう。
再就職手当も活用しよう
失業保険の給付日数を一定以上残して再就職した場合、「再就職手当」がもらえます。早期に再就職するほど支給率が高くなるため、良い求人が見つかったら積極的に応募しましょう。
Q&A:看護師の失業保険に関するよくある質問
Q. 看護師が自己都合で退職した場合、すぐにもらえますか?
7日間の待機期間+原則1か月の給付制限期間があるため、すぐにはもらえません。ただし、正当な理由(体調不良やハラスメントなど)で退職した場合は、給付制限なしで受給できるケースがあります。
Q. 看護師資格を持っていると失業保険は不利になりますか?
看護師資格を持っていること自体が不利になることはありません。ただし、ハローワークから紹介された求人を正当な理由なく断り続けると、失業保険の支給が停止される可能性があります。
Q. 傷病手当金と失業保険は同時にもらえますか?
同時にはもらえません。傷病手当金は「働けない状態」であることが条件ですが、失業保険は「働ける状態で求職活動をしている」ことが条件です。体調が回復してから失業保険に切り替える流れになります。

まとめ
看護師が失業保険をもらうためには、雇用保険の加入期間を満たしたうえで、ハローワークでの手続きが必要です。自己都合退職の場合でも給付制限期間は原則1か月に短縮されており、以前より早く受給できるようになりました。
退職前に離職票の準備を進め、退職後は速やかにハローワークで手続きを行いましょう。失業保険をうまく活用しながら、自分に合った次の職場をじっくり探してみてください。
参考:ハローワーク インターネットサービス / 厚生労働省 雇用保険制度
看護師の失業保険を有利にするテクニック
離職理由の確認と修正
離職票に記載される離職理由は、失業保険の給付日数や給付制限期間に直結します。自分の認識と異なる離職理由が記載されていないか、必ず確認しましょう。
例えば、パワハラや体調不良が退職の原因なのに「自己都合」とされている場合は、ハローワークで異議申し立てができます。証拠(診断書、メールの記録など)があると有利です。
教育訓練給付金の活用
雇用保険に一定期間加入していた場合、教育訓練給付金を利用できます。認定看護師や専門看護師の資格取得、ケアマネジャーの研修など、キャリアアップに役立つ資格の取得費用の一部が支給されます。
職業訓練を受けながら失業保険をもらう
ハローワークが案内する公共職業訓練を受講すると、訓練期間中は失業保険の給付日数が延長されるケースがあります。医療事務やケアマネジャーの資格取得コースなど、看護師のキャリアチェンジに役立つ訓練も用意されています。

看護師の転職と失業保険のタイミング
すぐに転職する場合
看護師は求人が豊富なため、退職後すぐに次の仕事が見つかるケースも多いです。この場合、失業保険の給付日数を3分の1以上残して再就職すれば、再就職手当を受け取れます。給付日数の60〜70%が一括で支給されるため、早期再就職のインセンティブになっています。
しばらく休んでから転職する場合
体調を回復させてから転職したい場合は、傷病手当金→失業保険という順番で受給するのが基本です。傷病手当金を受給中は「働けない状態」なので失業保険は受け取れませんが、回復して求職活動を始めたタイミングで失業保険に切り替えられます。
失業保険の受給期間延長
- 病気やケガで30日以上働けない場合、受給期間を最大3年間延長できます
- 延長申請はハローワークで行います
- 延長しておけば、回復後に失業保険を受け取れます
失業保険をもらっている間にやっておくべきこと
- 転職サイトに登録して求人情報を収集する
- 履歴書・職務経歴書を作成しておく
- 面接対策(志望動機・自己PRの整理)を行う
- 施設見学を積極的に活用する
- ハローワークの職業相談を定期的に利用する
- 資格取得やスキルアップの勉強をする

看護師だからこそ知っておきたいポイント
看護師の転職市場は他の職種と比べて求人数が圧倒的に多いのが特徴です。そのため、失業保険を受給しながらじっくりと条件の良い職場を探すことが可能です。
焦って転職先を決めると、「前の職場の方がよかった」と後悔するケースもあります。失業保険で生活の基盤を確保しながら、本当に自分に合った職場を見つけるのが賢い選択です。
また、看護師は専門的な資格を持つ職種のため、ハローワーク以外にも看護師専門の転職サイトやエージェントを活用することで、非公開求人を含む幅広い選択肢の中から転職先を探せます。
失業保険受給中の転職活動のコツ
- 複数の転職サイトに登録して求人を比較する
- 希望条件(給与・勤務形態・診療科)に優先順位をつける
- 施設見学を積極的に活用し、職場の雰囲気を確認する
- 面接では遠慮せず労働条件を確認する
- 再就職手当の受給条件を意識して、計画的に転職先を決める



