「病棟から訪問看護に転職ってどうなんだろう?」と気になっていませんか。訪問看護は、病院以外の看護師キャリアとして最も注目されている分野の一つです。高齢化に伴い需要は右肩上がりで、年収も病棟勤務と遜色ありません。
訪問看護は「一人の患者さんとじっくり向き合える」「日勤中心で働ける」「年収も悪くない」と三拍子揃った働き方です。病棟看護に疲れた方にとって、理想的なキャリアチェンジの選択肢になり得ます。
一方で「一人で判断しなければいけない場面が多い」というプレッシャーもあります。この記事では、訪問看護の仕事内容・年収・メリットデメリットを包み隠さずお伝えします。転職を検討する材料にしてください。

訪問看護の仕事内容
利用者の自宅で看護を提供する
訪問看護の基本は、利用者の自宅に訪問して看護を提供することです。バイタルサイン測定、服薬管理、創傷処置、リハビリテーション、ターミナルケア、ご家族への指導など、業務内容は多岐にわたります。
病棟との最大の違いは、利用者一人ひとりとじっくり向き合えることです。1回の訪問は30分〜1時間程度で、1日の訪問件数は4〜6件が一般的です。一人の利用者に集中して関わることができるため、「丁寧な看護ができている」と実感する方が多いです。
多職種との連携が重要
訪問看護では、医師、ケアマネジャー、理学療法士、作業療法士、ヘルパーなど多職種と連携しながら利用者の在宅生活を支えます。チームの中心的な役割を担うことも多く、コーディネート能力が求められます。
多職種連携は大変な面もありますが、「チームで一人の利用者を支えている」という実感は、病棟勤務では得にくいやりがいです。
記録・報告業務
訪問後は看護記録の作成、主治医への報告書作成、ケアマネジャーへの情報提供など、事務作業も発生します。タブレット端末を使って訪問先で記録を入力するステーションも増えてきています。
訪問看護の年収・給与
| ポジション | 年収目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一般スタッフ | 400〜500万円 | 病棟の夜勤あり年収と同等レベル |
| 経験者(5年以上) | 480〜550万円 | 経験加算・役職手当あり |
| 管理者 | 550〜700万円 | 管理者手当+オンコール手当 |
正社員の場合、年収400〜550万円が相場です。管理者になると550〜700万円も見込めます。オンコール手当が月2〜5万円つく場合が多く、病棟の夜勤手当に代わる収入源になります。夜勤なしでもこの年収水準を維持できるのは大きな魅力です。

訪問看護のメリット
一人の患者さんとじっくり向き合える
病棟では10〜15人の患者さんを同時に担当しますが、訪問看護は1回の訪問で1人に集中できます。「流れ作業のような看護」から脱却して、「本当に患者さんのためになる看護」ができると実感する方が多いです。
利用者やそのご家族との信頼関係を深く築けるのも訪問看護ならではの魅力です。長期にわたって関わることで、「あなたが来てくれて安心する」と言ってもらえることは、看護師としてのやりがいに直結します。
日勤中心の規則的な働き方
基本的に日勤のみの勤務形態です。オンコール当番はありますが、実際に呼び出されるのは月に数回程度のケースが多いです。病棟の夜勤と比べれば、身体的な負担は大幅に軽減されます。体内リズムが整い、プライベートの時間も確保しやすくなります。
自分のペースで仕事ができる
訪問スケジュールに沿って動くため、自分のペースで仕事を進められます。訪問と訪問の間の移動時間はリフレッシュの時間にもなります。病棟のようにナースコールに追われる環境とは全く異なる働き方です。
人間関係のストレスが少ない
訪問先では基本的に一人で行動するため、病棟特有の人間関係のストレスが大幅に減ります。お局ナースや合わない同僚との密な関わりから解放されるのは、精神的に大きなメリットです。
訪問看護のデメリット
一人で判断する場面が多い
訪問先では基本的に一人です。利用者の状態が急変したときに、すぐに同僚や医師に相談できない不安があります。臨床経験が浅いと、一人での判断にプレッシャーを感じやすいです。
ただし、電話で主治医やステーションの管理者に相談できる体制が整っているところがほとんどです。「完全に一人で判断しなければならない」というわけではありませんので、過度に不安に感じる必要はありません。

オンコール当番の精神的負担
オンコール当番の日は、深夜でも電話が鳴れば対応しなければなりません。実際の呼び出し頻度は少ないケースが多いですが、「いつ鳴るかわからない」という精神的な負担はゼロではありません。特に慣れないうちはストレスに感じる方もいます。
天候に左右される
雨の日も雪の日も、訪問は休めません。車や自転車、徒歩での移動が多いため、悪天候の日はストレスが増します。特に冬場の訪問は、体力的にもきつい場面があります。
利用者との関わりが深い分、喪失感も大きい
長期間関わった利用者が亡くなったとき、深い喪失感を感じることがあります。病棟よりも密な関係を築く分、別れの辛さも大きくなります。グリーフケアのサポート体制があるステーションを選ぶことが大切です。
訪問看護に向いている人の特徴
- 臨床経験3年以上の方(基本的な判断力が身についている)
- 一人ひとりの患者さんとじっくり関わりたい方
- 自分のペースで働きたい方
- コミュニケーションが得意で、多職種連携に抵抗がない方
- 在宅医療や地域包括ケアに興味がある方
逆に、チームで一緒に働くのが好きな方や、急性期医療のスピード感が好きな方には、物足りなく感じるかもしれません。自分の適性をしっかり見極めた上で判断しましょう。
日本訪問看護財団の「公式サイト」では、訪問看護に関する最新情報や研修案内が掲載されています。転職前の情報収集にぜひ活用してください。
訪問看護の求人の探し方
転職サイトで「訪問看護」を絞り込み検索
レバウェル看護やマイナビ看護師で「訪問看護」の求人を検索すると、多くの候補が表示されます。正社員・パート・非常勤など、勤務形態での絞り込みも可能です。
非公開求人にこそ好条件がある
好条件の訪問看護ステーションの求人は、非公開で扱われることが多いです。転職エージェントに直接相談して、非公開求人を紹介してもらいましょう。管理者候補の求人や高給与のステーションは、非公開でしか出回らないケースがあります。
見学・体験入職を活用する
転職前に見学や体験入職を受け入れているステーションもあります。実際の訪問に同行させてもらうことで、仕事のイメージをより具体的に掴むことができます。エージェントを通じて見学を申し込んでみてください。
厚生労働省の「介護・高齢者福祉」のページでは、在宅医療の政策方針や訪問看護に関する施策が確認できます。

よくある質問(FAQ)
Q. 訪問看護は未経験でも転職できますか?
A. 臨床経験3年以上であれば、訪問看護未経験でも転職可能なステーションは多いです。入職後に先輩の訪問に同行して研修を受けるのが一般的です。経験が浅い方は、教育体制が充実しているステーションを選びましょう。
Q. オンコールはどのくらいの頻度で対応しますか?
A. ステーションの規模やスタッフ数によりますが、月に4〜8回程度が一般的です。実際に呼び出されるのはそのうち数回で、電話対応のみで済むケースも多いです。
Q. 訪問看護に必要な資格はありますか?
A. 看護師免許があれば働けます。特別な資格は不要です。ただし、認定看護師(訪問看護分野)の資格を持っていると、手当がつく場合や管理者として重宝される場合があります。
Q. 車の運転は必須ですか?
A. ステーションの所在地によります。都市部では自転車や公共交通機関での移動が中心のところもありますが、郊外や地方では車の運転が必須になることが多いです。求人情報で確認しましょう。
Q. 訪問看護のやりがいを一言で言うと?
A. 「利用者の生活全体を支える看護ができること」です。病棟では見えなかった利用者の日常生活に寄り添い、その方らしい暮らしを支えられるのは、訪問看護ならではの大きなやりがいです。
まとめ:訪問看護は看護師の理想的なキャリアチェンジ先
- 一人の利用者とじっくり向き合える丁寧な看護ができる
- 日勤中心でオンコール手当が夜勤手当の代わりになる
- 年収400〜550万円、管理者なら700万円も見込める
- 一人で判断する場面はあるが、電話相談体制が整っている
- 臨床経験3年以上あれば未経験でも転職可能
- 転職前の見学・体験入職で現場のイメージを掴むのが重要
訪問看護は「一人の患者さんにじっくり向き合える」「日勤中心で規則的な生活が送れる」「年収も悪くない」という、病棟看護に疲れた方にとって理想的なキャリアチェンジの選択肢です。臨床経験3年以上あれば、未経験でも十分に転職可能です。まずは転職サイトで訪問看護の求人情報をチェックして、自分に合ったステーションを探してみてください。

