「子どもが小さいうちは看護師を続けるのが厳しい…」「夜勤と育児の両立なんて無理じゃない?」と悩んでいるママ看護師は少なくありません。実際、出産を機に看護師を辞める方は多く、両立の難しさは業界全体の課題となっています。
しかし、働き方を工夫すれば看護師のキャリアを手放さずに育児と両立することは十分に可能です。時短勤務、パート、訪問看護、クリニック勤務など、ママ看護師に合った働き方の選択肢は年々広がっています。
この記事では、看護師ママが育児と仕事を両立するための働き方の選択肢、使える制度、職場選びのポイントを詳しく解説します。「辞めるか続けるか」で悩んでいる方に、第三の選択肢を提案します。

看護師ママが両立に苦労する理由
まず、なぜ看護師ママの両立が難しいのかを整理しておきましょう。
| 課題 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 夜勤の存在 | 子どもを預ける先が見つからない、夜間の育児ができない |
| 不規則な勤務時間 | 保育園の送迎時間に合わない、生活リズムが安定しない |
| 急な残業 | 患者さんの急変対応で定時に帰れない |
| 休みの取りにくさ | 子どもの急な発熱や学校行事に対応しにくい |
| 体力的な負担 | 日勤でも体力を使う仕事の上に、帰宅後は育児が待っている |
| 精神的なプレッシャー | 「周りに迷惑をかけている」という罪悪感 |
日本看護協会の調査(www.nurse.or.jp・サイト終了)によると、看護職員の離職理由のトップクラスに「出産・育児」が挙がっています。特に、夜勤のある病棟勤務と育児の両立が最も難しいとされています。
看護師ママにおすすめの働き方7選
1. 日勤のみのクリニック勤務
最も人気のある選択肢です。クリニックは夜勤がなく、診療時間が決まっているため生活リズムが安定します。自宅近くのクリニックであれば通勤時間も短縮でき、保育園の送迎にも対応しやすいです。
日祝休みのクリニックなら、子どもの休みに合わせやすいのも大きなメリットです。ただし、水曜や土曜の半日診療日に出勤が必要な場合もあるため、勤務条件は事前に確認しましょう。
2. 時短勤務(短時間正職員制度)
育児・介護休業法により、3歳未満の子を持つ従業員は短時間勤務制度(1日6時間勤務)を利用する権利があります。病院によっては子どもが小学校入学まで時短勤務を認めているところもあります。
時短勤務なら正職員の身分を維持しながら、勤務時間を短縮できます。給与は時間に応じて減額されますが、社会保険や退職金制度は継続されるケースが多いです。
3. パート・非常勤勤務
週2〜3日、1日4〜6時間など、自分の都合に合わせた勤務が可能です。パートであれば「子どもの体調不良で急に休む」という状況にも比較的対応しやすいです。
看護師のパート時給は1,500円〜2,000円程度が相場で、夜勤のパートであれば1回あたり25,000円〜35,000円の収入が見込めます。月に数回だけ夜勤のパートをするという選択もあります。看護師の副業おすすめは以下の記事で詳しく紹介しています。



4. 訪問看護
訪問看護は日勤中心で、訪問スケジュールがある程度コントロールできるのがメリットです。9時〜17時の勤務で、残業も少ない傾向にあります。
ただし、オンコール当番がある場合は夜間の対応が発生する可能性があります。オンコールなしの条件で働ける訪問看護ステーションもあるので、面接時に確認しましょう。
5. 保育園・幼稚園の看護師
保育園や幼稚園に配置される看護師は、園児の健康管理や急な体調変化への対応が主な業務です。カレンダー通りの勤務で、子どもと同じ生活リズムで働けるのが最大のメリットです。
自分の子どもと同じ保育園で働けるケースもあり、送迎の負担がゼロになることもあります。ただし、給料は病院勤務と比べて低めです。
6. 健診センター・人間ドック
健診センターは完全予約制のため、急な残業がほとんどありません。業務内容も採血、血圧測定、心電図検査など定型的な作業が中心で、精神的な負担も少ないです。土日祝が休みのセンターも多いです。
7. デイサービス・デイケア
日帰りの介護施設で働く看護師です。利用者のバイタル測定、服薬管理、入浴前後の健康チェックが主な業務で、日勤のみ・残業ほぼなしで働けます。
活用すべき制度・サポート
育児と仕事の両立を支えるために、さまざまな制度が整備されています。知らないと損する制度も多いので、しっかり確認しておきましょう。
| 制度 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 育児休業 | 子が1歳(最大2歳)まで休業可能 | 雇用保険加入者 |
| 育児休業給付金 | 休業前賃金の67%(6ヶ月経過後50%)が支給 | 育児休業取得者 |
| 短時間勤務制度 | 1日6時間勤務(3歳未満の子がいる場合) | 正職員 |
| 子の看護休暇 | 年5日(2人以上は年10日)の休暇取得可能 | 小学校就学前の子がいる職員 |
| 所定外労働の制限 | 残業の免除を請求可能 | 3歳未満の子がいる職員 |
| 深夜業の制限 | 夜22時〜朝5時の勤務免除を請求可能 | 小学校就学前の子がいる職員 |
| 院内保育所 | 病院内または近隣に設置された保育施設 | 勤務先の職員 |
「深夜業の制限」を請求すれば、法律上、夜勤を免除してもらうことが可能です。この制度を知らずに夜勤を断れないと思っている看護師は意外と多いので、ぜひ活用してください。夜勤なしで働ける職場についてはこちらの記事でまとめています。





職場選びのチェックポイント
育児中の看護師が転職や復職をする際に、必ず確認すべきポイントをまとめます。
院内保育所の有無
院内保育所がある病院は、看護師ママにとって大きな味方です。通勤と保育園の送迎が一度で済み、急な残業のときも延長保育を利用しやすいです。24時間対応の院内保育所であれば、夜勤がある場合も安心です。
時短勤務の実績
制度はあっても実際に利用している人がいなければ意味がありません。面接時に「時短勤務を利用しているスタッフはいますか?」と聞いてみましょう。実績がある職場のほうが、周囲の理解も得やすいです。
ママ看護師の割合
子育て中の看護師が多い職場は、お互いにフォローし合える環境が整っていることが多いです。「子どもの急な発熱で休みたい」という状況にも理解があります。
残業の実態
求人票に「残業少なめ」と書かれていても、実態は異なることがあります。月平均の残業時間を具体的な数字で確認しましょう。看護師専門の転職サイトやエージェントを通じて、内部情報を入手するのも有効です。おすすめの転職エージェントは以下の記事で比較しています。



急な休みへの対応体制
子どもが急に体調を崩した場合に、代わりのスタッフが見つかるかどうかは重要です。フリーの看護師(特定の部署に所属しない応援要員)がいる病院や、スタッフ数に余裕がある職場は安心です。
ママ看護師の1日のスケジュール例
クリニック勤務(日勤のみ)の場合
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 6:30 | 起床、朝食準備 |
| 7:30 | 保育園に送り |
| 8:30 | 出勤 |
| 9:00〜12:30 | 午前の外来対応 |
| 12:30〜13:30 | 昼休憩 |
| 13:30〜17:30 | 午後の外来対応 |
| 18:00 | 保育園にお迎え |
| 18:30 | 帰宅、夕食準備 |
| 19:00 | 夕食 |
| 20:00 | 入浴、子どもとの時間 |
| 21:00 | 子ども就寝、自分の時間 |
クリニック勤務なら、保育園の送迎時間に合わせた生活が可能です。病棟の夜勤ありの場合と比べると、生活リズムの安定度は格段に上がります。


先輩ママ看護師の両立のコツ
完璧を目指さない
仕事も育児も100%完璧にこなそうとすると、自分が壊れてしまいます。「今日はお惣菜でいい」「洗濯は明日まとめてやる」と割り切ることも大切です。家事の外注(家事代行サービスや宅配食材)を活用するのも賢い選択です。
パートナーと家事育児を分担する
看護師は体力的にも精神的にもハードな仕事です。家事育児をすべて一人で抱え込まず、パートナーとしっかり役割分担しましょう。「できることはやる」ではなく「やるべきことを明確に決める」のがポイントです。
同僚とのコミュニケーションを大切にする
急な休みや早退が必要になったとき、日頃から同僚との関係が良好であればフォローしてもらいやすいです。逆に、他のスタッフが困っているときは自分からフォローする姿勢を見せることで、お互い様の関係を築けます。
キャリアの「休み方」を知る
ナースセンターでは、離職中の看護師の復職支援プログラムを提供しています。一時的に離職したとしても、看護師免許は一生有効です。子育てが落ち着いてから復職するという選択肢もあることを忘れないでください。
よくある質問(FAQ)
Q. 子どもが何歳になったら病棟の夜勤に復帰すべきですか?
A. 「○歳になったら」という決まりはありません。家庭環境(パートナーの協力体制、実家のサポートなど)によって最適な時期は異なります。無理に夜勤に戻る必要はなく、日勤のみの職場で長く働き続ける選択も立派なキャリアです。
Q. ブランクがあっても復職できますか?
A. もちろんできます。各都道府県のナースセンターでは無料の復職支援研修を実施しています。ブランクの長さに応じた研修プログラムが用意されているので、活用してください。
Q. 育休後の時短勤務は何歳まで使えますか?
A. 法律上は子どもが3歳になるまでですが、職場独自の規定で小学校入学まで、または小学校3年生まで延長している病院もあります。入職前に確認しておきましょう。
Q. 夜勤免除を申請すると給料はどのくらい下がりますか?
A. 夜勤手当がなくなる分、月4〜5万円程度の減収が見込まれます。年間では50〜60万円の差になりますが、生活の質が向上する価値と天秤にかけて判断しましょう。
Q. シングルマザーでも看護師を続けられますか?
A. 続けられます。看護師は時給が高く、パートでも十分な収入を得られる職種です。院内保育所がある病院や、行政のひとり親支援制度(児童扶養手当、医療費助成など)を活用しながら働いているシングルマザー看護師は多いです。
まとめ:看護師ママの両立は「働き方」を変えれば実現できる
- 看護師ママの両立が難しいのは夜勤と不規則勤務が主な原因
- クリニック、時短勤務、パート、訪問看護など選択肢は豊富
- 深夜業の制限や子の看護休暇など、法律で認められた制度を活用する
- 院内保育所の有無、ママ看護師の割合、残業の実態を事前に確認
- 完璧を目指さず、使えるサポートはすべて使う
- 看護師免許は一生有効、離職しても復職はいつでもできる
「看護師を辞めるか続けるか」ではなく、「どう働くか」を考えることが大切です。子どもの成長に合わせて働き方を柔軟に変えていけば、看護師のキャリアと育児を無理なく両立できます。まずは今の自分に合った働き方を探してみてください。




