転職で一番悩むのが志望動機ではないでしょうか。「なぜこの施設を選んだのか」を言葉にするのは意外と難しいものです。特に本音が「家から近いから」「夜勤がないから」だと、どう書けばいいか迷いますよね。
志望動機にはコツがあり、それを知っているかどうかで書類選考の通過率が大きく変わります。難しく考える必要はありません。基本の型さえ押さえれば、どんな転職先にも対応できます。
この記事では、転職先の種類別に10パターンの例文を紹介します。自分の状況に合うパターンをアレンジして使ってください。

志望動機を書く前の3つの準備
1. 志望先のホームページを熟読する
理念、特色、力を入れている分野。ここに自分の経験や価値観を結びつけるのが志望動機の核になります。「理念に共感しました」と書くなら、具体的に何に共感したのか説明できるレベルまで読み込んでください。
2. 自分の経験を棚卸しする
これまでの診療科、得意な技術、印象に残ったエピソード。自分の「強み」を明確にしておくと、志望動機に説得力が出ます。
3. 転職の軸を1つに絞る
「スキルアップしたい」「ワークライフバランスを改善したい」「専門分野を深めたい」。軸が複数あると話がぶれるので、一番大きい理由を1つ決めて、そこを中心に書くのがポイントです。
転職先別の志望動機例文
例文1:急性期病院への転職
「慢性期病棟で4年間看護に従事してまいりましたが、より幅広いアセスメント力を身につけたいという思いが強くなりました。御院は救急医療に力を入れており、急性期から回復期まで一貫した看護を実践されている点に魅力を感じています。これまでの患者さんに寄り添う看護の経験を活かしつつ、急性期のスキルを磨きたいと考え、志望いたしました。」
例文2:回復期リハビリ病院への転職
「急性期病棟で5年間勤務する中で、患者さんの退院後の生活再建に関わりたいという思いが芽生えました。御院はリハビリテーションに特化し、多職種連携で社会復帰を支援されています。急性期で培った観察力と多職種連携の経験を活かして、回復期看護に貢献したいと考えております。」

例文3:クリニックへの転職
「総合病院で8年間勤務し、一通りのスキルを身につけてまいりました。今後は地域に根ざした外来看護で、健康管理に長期的に関わりたいと考えています。御院は予防医療にも力を入れており、健康指導の経験を活かせると感じました。一人ひとりとじっくり向き合える環境で働きたく志望いたしました。」
クリニックへの転職では「病院との違い」を意識して書くのがコツです。「一人ひとりに時間をかけられる」「長期的に関われる」という点をアピールすると好印象です。
例文4:訪問看護への転職
「病棟で6年間勤務する中で、退院後の患者さんの生活に不安を感じることが多く、在宅での看護に興味を持ちました。御社は利用者様の『その人らしい暮らし』を大切にされており、その理念に深く共感しております。病棟で培ったフィジカルアセスメントの力を活かし、在宅で安心して暮らせる看護を提供したいです。」
例文5:介護施設への転職
「急性期病棟での勤務を通じて、高齢者の生活全体を支える看護に関心を持つようになりました。御施設は看取りケアにも積極的に取り組まれており、利用者様の最期まで寄り添う姿勢に共感しました。終末期看護の経験を活かし、入居者様とご家族に安心を届けたいと考えております。」
例文6:美容クリニックへの転職
「5年間の臨床経験を積む中で、予防医療や美容医療に興味を持つようになりました。御院は最新の美容医療技術を提供しながらも、安全性を最優先にされている点に魅力を感じています。臨床で培った対応力と注射・点滴の技術を活かし、お客様に安心と満足を提供したいです。」

例文7:企業の産業保健への転職
「病棟勤務を通じて予防医療の重要性を実感し、発症前の段階で健康を守る仕事に携わりたいと考えるようになりました。御社は従業員のメンタルヘルスケアにも力を入れており、健康経営を推進されている点に共感しました。保健指導や健康教育の経験を活かし、従業員の皆様の健康維持に貢献したいです。」
例文8:夜勤なし希望の場合
「出産を機に、子育てと両立できる働き方を模索してまいりました。御院は日勤帯での外来体制が充実しており、子育て中のスタッフへのサポートも手厚いと伺っています。8年間の病棟経験で培った観察力と判断力を、外来の限られた時間の中で最大限発揮し、質の高い看護を提供したいと考えております。」
例文9:ブランクありからの復職
「育児のため3年間のブランクがありますが、復職研修で最新の技術を学び直し、復帰への準備を整えてまいりました。御院は復職支援プログラムが充実しており、ブランクのあるスタッフも活躍されていると伺い、安心して応募させていただきました。これまでの内科病棟での経験を活かしつつ、新しい知識も積極的に吸収していきたいです。」
例文10:キャリアアップ目的の場合
「がん看護に5年間携わる中で、専門看護師を目指す決意をいたしました。御院はがん診療連携拠点病院として高度な治療を提供されており、資格取得支援制度も整っています。現場での経験を積みながら資格取得を目指し、御院の看護の質向上に貢献したいと考えております。」
志望動機でやってはいけないこと
使い回しの志望動機
複数の施設に応募する場合、志望動機の使い回しはバレます。「理念に共感しました」と書いて、具体的に何に共感したか言えなかったらアウトです。面倒でも応募先ごとに書き換えてください。
条件面だけの志望動機
「給与が高いから」「休みが多いから」「夜勤がないから」。本音はそうでも、志望動機としては弱すぎます。条件面は理由のひとつとして触れつつ、仕事に関連した動機をメインにしましょう。
抽象的すぎる表現
「患者さんに寄り添う看護がしたい」だけでは具体性がありません。どんな場面で、どう寄り添いたいのかを、自分の経験と結びつけて書くと説得力が段違いに上がります。
志望動機の完成度を上げるコツ
施設の特色を具体的に盛り込む
ホームページに掲載されている理念、診療方針、取り組みなどを引用しながら、「だから自分はここで働きたい」と結びつけてください。施設の特色と自分の経験がマッチしているほど説得力が増します。
「貢献できること」を明確にする
「学びたい」「成長したい」だけでなく、「自分が入ることで施設にどんなメリットがあるか」まで書けると、面接官の目に留まりやすくなります。これまでの経験で得たスキルを、具体的にどう活かせるかを考えてみてください。
アドバイザーにブラッシュアップしてもらう
転職サイトのアドバイザーに志望動機を見てもらうと、プロの視点で改善点を指摘してもらえます。「こう書いたほうが刺さりますよ」というアドバイスが的確で、自分一人では気づけない改善点が見つかることが多いです。

よくある質問(FAQ)
Q. 志望動機がどうしても書けない場合はどうすればいいですか?
A. まずは「なぜ今の職場を辞めたいか」と「次の職場に何を求めるか」を箇条書きにしてみてください。そこから応募先の特色と結びつけていけば、志望動機の骨格が見えてきます。
Q. 例文をそのまま使ってもいいですか?
A. そのまま使うのはおすすめしません。例文はあくまで「型」です。自分の経験年数、診療科、具体的なエピソードに置き換えてアレンジしてください。
Q. 志望動機の長さはどのくらいがいいですか?
A. 履歴書の場合は150〜300文字程度。面接で口頭で話す場合は1〜2分程度が目安です。短すぎると「やる気がない」、長すぎると「まとまっていない」印象を与えます。
Q. 複数の施設に応募する場合、志望動機はどうすればいいですか?
A. 必ず応募先ごとに書き換えてください。基本の型は同じでも、施設の特色に合わせた部分はカスタマイズが必要です。
Q. 本音が「夜勤なし」だけの場合はどう書けばいいですか?
A. 「夜勤なし」を直接書くのではなく、「日勤帯で一人ひとりの患者さんとじっくり向き合いたい」のように、仕事の内容に結びつけた表現にしましょう。例文8を参考にしてください。
Q. 志望動機と転職理由の違いは?
A. 転職理由は「なぜ辞めるか」、志望動機は「なぜここで働きたいか」です。この2つがつながると、ストーリーに一貫性が出て説得力が増します。セットで考えるのがおすすめです。
まとめ:志望動機は型を覚えてアレンジする
- 志望動機は「なぜ転職→なぜここ→どう貢献」の3ステップ
- 応募先のホームページを熟読してから書く
- 転職の軸を1つに絞ると話がまとまりやすい
- 例文はそのまま使わず、自分の経験でアレンジする
- 使い回しは厳禁。応募先ごとに必ずカスタマイズする
- アドバイザーに添削してもらうと完成度が上がる
志望動機は慣れるまで大変ですが、一度コツを掴めばスラスラ書けるようになります。迷ったら転職サイトのアドバイザーに相談してみてください。プロの視点でブラッシュアップしてもらえます。

参考:日本看護協会
参考:ハローワーク

